#blog-title{font-size:150%; }

Cardio2012のECGブログ-2019改

=上級医がやっている危ない心電図の見分け方= ECGにまつわる基本的な諸問題:総合診療部研修医と、ECG苦手医師のためのサイトです。

【コラム-048】電気軸について、あなたが知っておいて良いこと(その3)

電気軸測定の密林に入ります。

 入りたくない人は、止めておきましょうね。
.
 高校か中学の幾何学を、思い出しましょう。(今、どっちでやってんだろう?)
.
 まず、前回の電気軸のお復習いの図です。
 I 誘導と III 誘導が、今回の主役です。

Axis00013

.

.

  I 誘導と III 誘導 各々で、R波・S波の高さを測定します。

 当然ながら、R波は陽性(プラス)・S波は陰性(マイナス)です。

 それを、足し算します。R波高(+) + S波高(-)が、その誘導の高さです。

Axis00014

.

.

 こういうことは、物差しを出すよりも、心電計の自動測定機能に訊ねるのが吉です。彼らは、このあたりは恐ろしく正確ですからね。

Axis00015

.

.

 次に、測定した高さ(プラスの時と、マイナスの時がある)を、I,III誘導に、各々載せます。ベクトル方向成分ですね。

Axis000162

.

.

 この二つのベクトルの和を得るために、各々に成分に、垂線を立てます。

 その交点が、ベクトルの和となります。そのはずです。

Axis00017

.

.

 この交点と0度のなす角度が、電気軸となります。

 この症例では、-11度でした。

Axis00018

.

.

 いかにも、正しい方法のような気がしますね。

でも、本来はQRSの面積の総和(+とー)で、考えるんですね。

 ほとんど、ずれがないために、高さで代用します。

 但し、wide-QRSではずれが生じるようですが、それはまだ後のお話しです。

 I 誘導と III 誘導で、ベクトルの和を求めます。

 「電気軸はI 誘導と III 誘導との組み合わせで計算することが申し合わされている」

と、私の読んだ本にありました。誰が決めたかは、よくわかりません。

Axis00019

.

.

 なお、私は学生時代に演習でやったの最後、今までこの方法で、計算したことがありませんでした。かなり、懐かしい感じでした。(今回、接続詞が多い)

Axis00020

.

 実際、心電図を記録して、自動解析結果を見ると、自分で計算しなくても、電気軸はちゃんと測定されています。

Axis00021

 (正しい)測定方法は、その原理を理解するに留めてよいのです。

12誘導心電図を見て、ぱっと、電気軸がわかるようにするのが、次のステップです。

電気軸が、何度であるか?に、あんまり意義はありません。

 どうして電気軸が傾いているのか、その背後にあるものは?

で、次に続きます。(電気軸ごときで、なんでこんなに長いんだ!!)

.

.

.

.

.

.

.