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Cardio2012のECGブログ-2019改

=上級医がやっている危ない心電図の見分け方= ECGにまつわる基本的な諸問題:総合診療部研修医と、ECG苦手医師のためのサイトです。

ECG-188:answer

収縮期雑音と心電図を絡めた時に、どう考えるのか?がお題です。

【HOCM。心尖部肥大を伴う。】が、答えですが、その思考方法です。

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*(Erb領域での最大の収縮期雑音)

  →大動脈弁狭窄症(加齢による狭窄の可能性が、一番高いか?)

  →僧帽弁逆流(音の位置で、障害弁を決めるのは愚かです)

  →HOCM(流出路の狭窄です)

  →三尖弁逆流(Levine-III程度なら、アリですね)

  →VSD(可能性は、否定できません。短絡軽度ならば。)

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*左室高電位より

  →大動脈弁狭窄症 または 大動脈弁逆流

  →高血圧の末期(臓器障害の出現状況)

  →やせ型体型(COPDなどのガリガリ型体型)

  →肥大型心筋症

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*ST-T変化より

  →左室肥大

  →心筋障害(虚血)

  →心筋症

  →その他沢山(もともと、ST-T変化は非特異的が多い)

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と、logicalにはざっと考えるのですが、この心電図を見たら、

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「あっ、肥大型心筋症だ。」

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と、思えるようになって下さい。

となると、心雑音は、流出路狭窄による可能性が、高くなります。結論は、カラードプラを含む心エコーにお任せです。

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静止画像です。

*左室は心尖部の著明な肥大を示しています。

*さらに、高齢のためでしょう、流出路のsigmoid状屈曲あります。

*僧帽弁前尖の収縮期前方運動(SAM)を、認めます。

*同部位での加速血流を、カラードプラでモザイク 血流として認めます。

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Ecg188samforweb

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(心尖部四腔像)AMLのSAMが、よくわかります。

        心室中隔上部が、sigmoid-septumとなっています。

        心尖部の著明な左室肥大{Maron-V}も気付いて下さいね。

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(心尖部からの流出路血流)心室中隔とSAMにより、流出路が狭窄を示す。

              その後で加速血流が、モザイクのとしてわかる。MR血流も認める。

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