収縮期雑音と心電図を絡めた時に、どう考えるのか?がお題です。
【HOCM。心尖部肥大を伴う。】が、答えですが、その思考方法です。
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*(Erb領域での最大の収縮期雑音)
→大動脈弁狭窄症(加齢による狭窄の可能性が、一番高いか?)
→僧帽弁逆流(音の位置で、障害弁を決めるのは愚かです)
→HOCM(流出路の狭窄です)
→三尖弁逆流(Levine-III程度なら、アリですね)
→VSD(可能性は、否定できません。短絡軽度ならば。)
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*左室高電位より
→大動脈弁狭窄症 または 大動脈弁逆流
→高血圧の末期(臓器障害の出現状況)
→肥大型心筋症
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*ST-T変化より
→左室肥大
→心筋障害(虚血)
→心筋症
→その他沢山(もともと、ST-T変化は非特異的が多い)
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と、logicalにはざっと考えるのですが、この心電図を見たら、
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「あっ、肥大型心筋症だ。」
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と、思えるようになって下さい。
となると、心雑音は、流出路狭窄による可能性が、高くなります。結論は、カラードプラを含む心エコーにお任せです。
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静止画像です。
*左室は心尖部の著明な肥大を示しています。
*さらに、高齢のためでしょう、流出路のsigmoid状屈曲あります。
*僧帽弁前尖の収縮期前方運動(SAM)を、認めます。
*同部位での加速血流を、カラードプラでモザイク 血流として認めます。
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(心尖部四腔像)AMLのSAMが、よくわかります。
心室中隔上部が、sigmoid-septumとなっています。
心尖部の著明な左室肥大{Maron-V}も気付いて下さいね。
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(心尖部からの流出路血流)心室中隔とSAMにより、流出路が狭窄を示す。
その後で加速血流が、モザイクのとしてわかる。MR血流も認める。
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