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Cardio2012のECGブログ-2019改

=上級医がやっている危ない心電図の見分け方= ECGにまつわる基本的な諸問題:総合診療部研修医と、ECG苦手医師のためのサイトです。

ECG-197:answer

 60才代の女性でした。  

   胸水も貯留し、労作時の息切れが続いての入院加療です。  入院安静で、尿量も増えて、症状も改善しましたが、この頻脈は治りません(=心拍数低下無し)。循環器科へコンサルトがありました。

 最初の心電図を、よく見てます。

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クリックすると、ECGが拡大します。

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 尖ったT波を、どう解釈するか、なんですね。

 洞性頻脈で、たまたまT波にP波が乗っているのか?

 高K血症?→血清カリウム値は、4.3mEq/Lです。

 もしかして、2:1伝導のAFLでは?

 この尖ったT波は、Flutter波では?

 

 確認のために、ATPを静注して、房室伝導を一時的に抑制してみました。

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Ecg197atpflutterforweb

クリックすると、ECGが拡大します。

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 が、Flutter波です。

 典型的なAFLでは、II,III,aVFでFlutter波(のこぎり波)が出現しますが、この症例では、V1,2でFlutter波が明瞭でした。

 このように、心房粗動の回旋方向性により、その波が見える場所が異なってきます。

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 ATPはすぐに分解されて、その効力は数分で切れてしまいます。ATPの効果がなくなり、再び2:1のAFLとなっています。

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 AFLは、薬物治療は困難です。除粗動は電気的に行いました。

 洞調律化した後の12誘導心電図です。

 基礎疾患は、HOCM(mid-ventricular obstruction )です。

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