Rest of Usは、ああ、こういう事だったのか、心電図は!、と云う心電図-再入門のためのシリーズ。もちろん、
** Macintosh, the computer for the rest of us **
へのオマージュです。
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前回の3症例でも、陰性T波の症例は、その12誘導心電図の持つ、全ての所見を併せて考えないと、診断に辿り付かない事が、分かりましたね。
次の症例も、同様にお考え下さい。
クリックすると、ECGが拡大します。
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診断は、出来ましたか?
(症例4〜6)の解説です。
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【著明な右室肥大による、陰性T波】
* LVHみたいな波形が、V1-3にあるのがポイント。
→ここは、右室の肥大の反映です。
→ここの陰性T波は、右室肥大の素直な反映です。
*V4-6の深い狭いS波は、右室肥大の所見。
* Pulmonay-Pは、あっても無くても、よい所見です。
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【健康診断で、よく見かける健康な女性の陰性T波 : V1,2あたり】
* V1-3にある、なだらかで優しい形状の陰性T。
→健康な若年女性に沢山ある所見です。
→困っていない症例では、気にしない。
* これを、全て胸部レントゲン・心エコーへ回していたら、大変なことになってしまいます。
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【HCMでCRBBBを伴った陰性T波】
* Wide-QRSで、少し迷うかもしれません。
* でも、severe-LVHに、CRBBBが重なっていると思えば良いんです。
* この症例は、HOCMでした。(O=obstructionは、もちろん聴診と心エコーで診断です)
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==今回の教訓==
【陰性T波だけでは、診断に到らない】
【他の所見との合わせ技で、心電図診断を下しましょう】
【どうでもいい陰性T波も、沢山存在するんです】
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