#blog-title{font-size:150%; }

Cardio2012のECGブログ-2019改

=上級医がやっている危ない心電図の見分け方= ECGにまつわる基本的な諸問題:総合診療部研修医と、ECG苦手医師のためのサイトです。

コラム-084:Low voltageを悩まない、をUpToDateする。(1/2)

心電図を見ていて、電位が低いことに、悩みませんか?

ふだんは悩まない私ですが、この問題をUpToDateしてみましょう。

一応定義は、

  •  胸部にて、QRSの振幅が10mm(=1.0mV)を全て超えない場合
  •  肢誘導で、QRSの振幅が5.0mm(=0.5mV)を全て超えない場合

 と、ちょっとUpToDateしました。

.

 肢誘導のLow Voltageは、あまりにありふれた所見なんですね。

Low voltageのよくある理由付けで、

* 太っている。女性では、胸が豊かすぎる。

* 胸水貯留が著明。

* 心のう液チャプチャプ。

* 左肺の気胸。縦隔気腫

* 誰が診ても、全身浮腫。

* 超広範囲心筋梗塞

COPD、vanishing-lung

代謝疾患(粘液水腫・アミロイドーシス)

* 心筋障害(心筋症・心筋炎)

* その他(いろいろ、考えてみて下さい)


084lowvoltageweb


 

=ここからは、コラム032のコピペ=.

 でも、(胸部誘導全てで、この基準を満たすことは、なかなかないよ)、とお師匠様も、仰有っていました。

 肢誘導全体での Low Voltageは、時々散見します。 

 説明は、横隔膜挙上で、総合ベクトルが、水平方向に起き上がり、肢誘導で電位が低下する、です。

.

 しかし、COPD系で、総合ベクトルが真下を向いているはずなのに、肢誘導が Low Voltageである。。。。

 よく説明できないことが、よくあります。

.

 「このように、うまく説明できない事は、心電図ではよくあることで、いちいち気にする必要は、ありません。」

 これも、お師匠様が教えて下さったことです。

=コピペ終了=

 じゃあ、実際どうなのよ。心電図は、上記診断の役に立つの?立たないの? ハッキリして~。

 これって、議論じゃなくて、実例をいろいろ並べるしかないと思います。

 私の結論は、

【 Low Voltageは、なんらかの異常の気付きになる、事もある 】

【 Low Voltageの原因が分からない(・_・?)でも、あんまり気にしない 】

【 Low Voltagに明らかな原因がある場合、心電図の助けを借りなくても、だいたいは気付く 】

【 Low Voltageになりそうでも、ならない例が沢山ある。。 】

 となります。

 Low voltageに鋭敏な反応は、殆どしない。

 

 では、次回より実例提示です。