【コラム-101：私嫌いなんです、心室頻拍(VT)が。(その5 : concordanceという考え方のお話しです】

今回は、

むだばなしは明朝体の黒で、

医学的内容はゴチック体の青で、

　強調したいところは赤表示

とします。

　上方軸・下方軸が分かり、CLBBB型とCRBBB型を理解した。上下左右の二次元を征したので、もうVTバッチリだぜ！

　と意気揚々なっていると、ERで見るwide-QRS-tachycardia心電図で困ってしまいました。シュン。。

心臓は、三次元的構成物であり、左室は円筒型・右室は三日月型でひねりがあります。

　そのどこにVTの起源があるかで、12誘導心電図は様相を変えてきます。それを、コツコツと理解していきましょう。

VTである事が、ほぼ確実な所見として、

＊胸部誘導がすべて陽性波(positive concordance)

＊胸部誘導がすべて陰性波(positive concordance)

　があります。

　僧帽弁輪付近からのVTで、胸部誘導全てが陽性波となります。

(上記心電図は、image図です。)

　上室性頻拍による変行伝導(SVT with aberrant conduction)では、正常伝導部分も残りますので、胸部誘導でRS型が混じります。

　胸部誘導でのpositive/negative concordanceは、VTでしか発生しません。

(この心電図は、ECG GURUより参照しております。このサイトは、心電図教育においての心電図利用を許可しています)

　現在は、更新はされていないようです。

下記のPDFでは、wide QRS tachycardiaの鑑別の12誘導心電図と解説があります。沢山のVT・SVT with aberrant conductionの心電図波形を見て下さい。

(12誘導心電図からみた持続性心室頻拍の診断 -Wide QRS頻拍の鑑別診断-)

Cardio2012のECGブログ-2019改