80才代男性の、動悸と胸部絞扼感でした。
経過中にどんどん血圧低下を示し、最終的にDC 150J施行で、洞調律に戻っております。
次は、発症半年前の心電図です。DC後の心電図も、ほぼ同様でした。
思い出しましょう!
【 虚血心でWQRSTが生じたら、それがVTでないと分かるまで、VTとして扱う 】
日本人のVTは、大半が虚血心で起きます。特に、陳旧性心筋梗塞の存在が分かっている時は、VTと割り切って取り扱った方が、問題を生じにくいです。PSVTや2:1伝導flutterをVTとして治療しても、特に支障は無いからです。
さて、もう一回安定期の心電図を見てみます。
V1-4でのQRS/ST-T変化は、まとめて前壁の虚血ですね。
実際の心機能は、心エコーやBNPに聞いてみましょう。
いかにも、陳旧性心筋梗塞(前壁あたり)の心電図ですね。
読み込むと、以下の様になるでしょう。
では、頻拍時の心電図解析に入ります。
(全体の俯瞰)と(詳細な読み)に、分けてみましょう。
(全体の俯瞰)
直感的にVTと捉え、すぐに行動開始で、OKです。
OMIで心機能低下状態だったのですから、WQRSTはVTとの解釈でよいのです。それ以下(PAT,AFL,rapid-Afib等)でも、繰り返しますが、治療行動に誤りとはなりません。第一血圧低下中だし。
ですけれど、この頻脈の12誘導を丹念に読み込んだら、どうなるのかを、次回(answer-2/2:詳細に読み込む)で、ご説明します。
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