Q-01:70才代の男性。動悸です。
亜急性期の下壁梗塞患者さんです。
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心電図が読めなくてもold MIだと云うだけで、wide QRS tachycarcardiaは、VTです。
2週間前にRCA #1完全閉塞でPCIが施行されています。心筋梗塞後の安定期心電図と比較します。
(心筋梗塞後心電図)
III,aVFでQS patternです。
II,III,aVFで、陰性T波です。RCA-old MIですね。
今回のWide QRS tachycardiaは、
*上方軸を示す。 VT源が下壁にある。
*LBBB patternできっと中隔部がVT源。
◎下壁中隔部の梗塞巣が、VT originとなっている。
上図は、概念図です。(EPSしてません)
RCA-ACSがVTの起源ならば、こんなVT波形は説明できるよね、とご理解下さい。
【OMIのwide QRS tchycardiaは、VTとして扱うべし】
Q-02:70才代の男性。動悸です。
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北西軸のVTです。
*I誘導とaVFで、QRSが陰性波。
*理論的には、電気軸が-90~±180°となります。
こんな方向なんです、北西軸は。
CRBBB,CLBBBでは、こんな方向に電気軸は向きません。
【 Wide QRS tachycardiaの北西軸は、VTなんです 】
この心電図では、以下のポイントもVTを示唆しております。
胸部誘導において、R波開始点からS波の最下点まで、100msec.以上だとVTの可能性が高まります。(絶対的ではない)
VTのアルゴリズムには、V6にて R/S<1と書いてありますが、
現実的には、r <<< S at V6 でないと、VT信頼度は高くない。
Q-03:80才代の女性。動悸です。
これは、ちょっとムズイです。
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このwide QRSの頻脈がVTとすると、ちょっと違和感有りませんか? VTの持つ(狂気)みたいなものが感じられません、私は。
心拍数を半分にしてみましょう。P波も添えてみます。
ただのCRBBBに見えますね。
さらに、V2誘導の陰性T波にP`様の波形有ります。
V6のR/S<1で、ここはVTの可能性を残すのですが。
ERで、ATP-10mgのフラッシュ投与が行われました。
ピタッと、頻拍呈しております。
頻拍停止後の12誘導心電図と対比します。
ほとんど、同じ波形ですね。
ATPで停止できるVTもあるそうです(経験は無し)。
とはいえ、V2の逆行性P`らしき波形もあり、PSVT(AVRT)だと一番理解しやすい。
頻拍発作中と洞調律後では、V6のR/S比がちょいと異なりますね。
V6で、 r<<<SでないとVTの診断精度が高まらない一例です。
Q-4より、次回です。
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