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Cardio2012のECGブログ-2019改

=上級医がやっている危ない心電図の見分け方= ECGにまつわる基本的な諸問題:総合診療部研修医と、ECG苦手医師のためのサイトです。

ECG-212:answer-2/2:詳細に読む

 80才代男性の、OMI/HFrEFで起きたWQRSTでした。

 

 まず、この心電図で特徴的なのは、

* 下壁誘導( II, III, aVF )で、特徴的な下方軸を示す

  のっぽなwide-QRS

* 胸部誘導でのCLBBB様パターン

 の二つです。

 下図にあるように、右室流出路起源のPVC/VTです。

*このPVCは、以前ECG-077でご紹介しております。

http://heart2012.cocolog-nifty.com/blogkoko2012/2012/10/12/index.html

 右室流出路から下壁に向かって、トーンと刺激が伝わるので、このようにのっぽなR波ができます。さらに、右室起源のために、胸部誘導では、CLBBB様の波形となります。

 一番、分かりやすいVTの形ですね。


Ecg2126vt01forweb

クリックすると、ECGが拡大します。

 VTで、かつ心房への逆行性伝導がなければ、12誘導心電図をよく見れば、P 波があるはずです。(V1にご注目!)

 そして、運が良ければ、P波が心室へ伝導し、narrow-QRSが時に出現します。

Ecg2126vt02forweb

クリックすると、ECGが拡大します。

Ecg2126vt03forweb_2

クリックすると、ECGが拡大します。

  この12誘導心電図を、脚ブロックを伴った2:1伝導のAFL、又はPSVTと考えても、(普通の)脚ブロックの形でないのが、感じ取れますでしょうか?VTでは、普通の脚ブロックの形を取らない、と云うのも、大切な鑑別点なんです。

 最後に、ホッとするtipsを載せておきます。

 【 時に、不整脈専門医でも、VTの12誘導心電図からの正診率は、半分くらいのことがある。。 】

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