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Cardio2012のECGブログ-2019改

=上級医がやっている危ない心電図の見分け方= ECGにまつわる基本的な諸問題:総合診療部研修医と、ECG苦手医師のためのサイトです。

ECG-224:answer

 【 謹賀新年 2017 】

 90才代女性の入院後の心電図です。

   今回は、高齢者の房室伝導を、考えてみます。

   

   多かれ少なかれ、高齢者はSSSであり、房室伝導に問題を生じやすいのです。治療適応があるかは、別として。

 安定期の心電図を、見てみます。

Ecg224forweb

クリックすると、ECGが拡大します。


  洞調律です。(aVRで陰性T波, aVFで陽性T波)

  wide WRS を呈しています。

  V1,2  でM型QRS。V6で幅広いS波。 CRBBBです。

  II,III,aVFで、S>>R で、左軸偏位。

  I 度房室ブロックは、ありません。

Ecg2242forweb

クリックすると、ECGが拡大します。




  ECG-207でも、同様の症例を提示しました。

  その違いは、最後に残った(左脚後枝) が、切れっぱなし(ECG-207)か、断続的に切れるのか(本例)、なんですね。

  ECG-207では、 I 度房室ブロックもあり、最後に残った左脚後枝が伝導障害を起こしているのが、わかります。

  ECG-224では、左脚後枝は繋がったり・切れたり、突然起きています。

  房室伝導障害時は、仕方が無いので、心室の異所性ペースメーカーが作動します。50bpmよりちょっと速い、そんなに幅広くないCLBBBです。これにより、血行動態は保たれました。車椅子坐位レベルまでなので困らなかったのかも、しれません。


Ecg224forweb_2

クリックすると、ECGが拡大します。

 

 これを、補充調律( Escape rhythm )と呼び、心室固有調律( Idioventricular  rhythm )となります。

 完全右脚ブロックと完全左脚ブロックが、ランダム現れて、慣れないと多少混乱を起こしますね。

 緊急ペーシングは、血行動態の破綻(患者さんが困っている)場合で、いいんです。慌てない、患者観察を優先です。



 さて、2017年度内で、ECG-300となるのが、目標です。

 今年も、このwebsiteに時々遊びに来られてください。m(_ _)m。




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