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Cardio2012のECGブログ-2019改

=上級医がやっている危ない心電図の見分け方= ECGにまつわる基本的な諸問題:総合診療部研修医と、ECG苦手医師のためのサイトです。

ECG-292:answer(2/2)

10才代 の健康な男児で、健診の心電図異常での紹介でした。

前回は、Holter-ECG上の房室解離の出現を提示しました。

圧縮波形で見ると、調律が洞調律⇔心室調律と、緩やかに変動しているのが、分かります。(fusion波形の部分もあります)

Ecg291holterecgweb

クリックすると、ECGが拡大します。

 

 

 次に、Treadmillを提示します。

(運動負荷前の仰臥位・安静の状態)

Ecg291treadmillweb

クリックすると、ECGが拡大します。

 よく見ると、QRS直前に P 波があります。

心室調律の状況です。

(運動負荷前の立位・スタンバイ状態)

Ecg291treadmillweb_2

クリックすると、ECGが拡大します。

きれいな洞調律です。

 波形は、narrow-CRBBB + mild LAD です。

12分間の運動負荷を行いました。

(運動負荷直後の心電図)

Ecg29111treadmillrecoveryweb

クリックすると、ECGが拡大します。

 波形は、narrow-CRBBB + mild LAD です。洞性頻脈です。

(運動負荷後のRecovery心電図 5分16秒後)

Ecg29112treadmillrecovery5web

クリックすると、ECGが拡大します。


   心室調律で、73bpmです。

 aVRでP陽性波・II, III, aVFでのP陰性波であり、逆行性P波のようです。

(運動負荷後のRecovery心電図 6分52秒後)

Ecg29114treadmillrecovery7web

クリックすると、ECGが拡大します。

  心室調律で、70bpmです.

 aVR、 aVLでP波の出現部位が、ST-T上で揺らいでいます。房室解離でP波は自立して出現しているようです。

   このように、房室解離は常に出現する訳ではありません。心房のリズムと、心室のリズムが微妙にずれた状況で出現するんですね。

   交感神経緊張時は、洞調律となる。

   洞性リズムがゆっくりの時に、心室リズムと共存する形となる。

   この症例は、そんな状況でした。

 若くて元気な房室解離の症例でした。

【 心房と心室が、独自のペースメーカーでリズムを刻むのが、房室解離 。】

【 器質的心疾患がなく、症状無ければ、経過観察となる。 】

【 房室解離は、ずっと続くわけではない。長めの心電図で判定しましょう。 】

2015_9_27_2

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