10才代 の健康な男児で、健診の心電図異常での紹介でした。
前回は、Holter-ECG上の房室解離の出現を提示しました。
圧縮波形で見ると、調律が洞調律⇔心室調律と、緩やかに変動しているのが、分かります。(fusion波形の部分もあります)
クリックすると、ECGが拡大します。
次に、Treadmillを提示します。
(運動負荷前の仰臥位・安静の状態)
クリックすると、ECGが拡大します。
よく見ると、QRS直前に P 波があります。
心室調律の状況です。
(運動負荷前の立位・スタンバイ状態)
クリックすると、ECGが拡大します。
きれいな洞調律です。
波形は、narrow-CRBBB + mild LAD です。
12分間の運動負荷を行いました。
(運動負荷直後の心電図)
クリックすると、ECGが拡大します。
波形は、narrow-CRBBB + mild LAD です。洞性頻脈です。
(運動負荷後のRecovery心電図 5分16秒後)
クリックすると、ECGが拡大します。
心室調律で、73bpmです。
aVRでP陽性波・II, III, aVFでのP陰性波であり、逆行性P波のようです。
(運動負荷後のRecovery心電図 6分52秒後)
クリックすると、ECGが拡大します。
aVR、 aVLでP波の出現部位が、ST-T上で揺らいでいます。房室解離でP波は自立して出現しているようです。
このように、房室解離は常に出現する訳ではありません。心房のリズムと、心室のリズムが微妙にずれた状況で出現するんですね。
交感神経緊張時は、洞調律となる。
洞性リズムがゆっくりの時に、心室リズムと共存する形となる。
この症例は、そんな状況でした。
若くて元気な房室解離の症例でした。
【 心房と心室が、独自のペースメーカーでリズムを刻むのが、房室解離 。】
【 器質的心疾患がなく、症状無ければ、経過観察となる。 】
【 房室解離は、ずっと続くわけではない。長めの心電図で判定しましょう。 】
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