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Cardio2012のECGブログ-2019改

=上級医がやっている危ない心電図の見分け方= ECGにまつわる基本的な諸問題:総合診療部研修医と、ECG苦手医師のためのサイトです。

コラム-080:Brugadaについて、Updateです。

  今回のコラムは、コラム-041のUpdate版です。

  (正しいBrugada症候群の理解)を求める方は、

QT延長症候群(先天性・二次性)とBrugada症候群の診療に関するガイドライン2012年改訂版)

http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2013_aonuma_h.pdf

 を、ご参照下さい。

 以下は、エッセイ的にお読み下さいね。

 典型的な心電図所見を示すにもかかわらず、何ら不整脈を発症しないもの(無症候性)は「Brugada 型心電図」と呼び、心室細動を発症 したものを「Brugada 症候群」と診断する、と考えましょう。

 当たり前と云えば、当たり前なんですよね。私は、上記で用語を、使い分けて、お話ししております。

 なお、無症候性(症状のない)もの〔=「Brugada 型心電図」〕を、無症候性Brugada症候群と呼ぶと云うイミフ(意味不明)な用語もありますので、ご用心。

 Coved〔コーブド〕型が、一番危ない。自然発生的または薬物負荷でこの形を呈した場合に、「Brugada 型心電図」と呼ぶことができます。 

 1肋間上げでの記録でcoved型が出ても、「Brugada 型心電図」とします。

 Brugada兄弟がこの概念を提唱してから、いろいろ議論があったようですが、治療方針に関しては、世界での全面合意はまだないようです。

 薬物での誘発試験(ピルジカイニド等使用)で、Coved型の波形を誘発できても、それが突然死・失神に必ずしも結びつかないことも、多いのです。 

 ICD植え込みの異論のない絶対適応は、Vf/VTからのsurvivorの患者さん達です。

◯ 基本的にイオンチャネル病として、説明されます。

◯ 右室の心内膜側と心外膜側の電気的興奮のずれが、問題です。

◯ いろんな遺伝子異常は、よく分からないので、割愛。

◯ 夜間・朝方にVT/Vfは起きやすい。副交感神経支配下で発生する。

◯ 食後のVT/Vf発生あり。これも、副交感神経の緊張です。

◯ これを利用した満腹試験〔Coved型心電図誘発〕があります。

◯ イビキ様呼吸は、循環破綻のサインです。

◯ 夜中に突然死する(ぽっくり病)と認識されていました。

◯ 心房細動やspasmの合併も数十パーセントあるようです。

◯ 男に多い。東アジアと欧州で多い。

◯ 日内・日差変動あります。納得するまで、心電図記録を反復する。

◯ type2,3の心電図波形は、type1〔Coved型〕を探すきっかけです。

◯ 家族歴は、徹底的に=刑事のように=探りましょう。

 もし、Brugada型心電図で、無症候性の患者さんを見たら、悩まないで不整脈専門医に(いなかったら、循環器医師)、丸投げされて下さい。

 ICDの植え込み等々は、ホントに悩ましいンです。