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Cardio2012のECGブログ-2019改

=上級医がやっている危ない心電図の見分け方= ECGにまつわる基本的な諸問題:総合診療部研修医と、ECG苦手医師のためのサイトです。

ECG-241:answer

 分かりやすい心電図です。でも、一応解説を。

 II, III, aVF ST上昇が、メインです。ミラーイメージとして、aVL ST低下もあります。

 ST上昇は、III>II で、RCA病変を示唆しております。

 V5,6 で、STが上昇しています、よく見ると。

 下壁の急性心筋梗塞です。胸部誘導でのST低下(V2,3,4 付近)は明瞭ではなく、心電図上の後壁梗塞は、はっきりしません。

Ecg241forweb

Ecg241forweb_2

 

 この症例の緊急アンギオの所見です。

 

Ecg241cagrcaforweb


 右冠動脈(RCA)の#4AVの99%狭窄でした。PCIで解除しています。

 虚血領域は、下壁/側壁の領域です。あまり大きくありません。


 X+30dayの心電図です。

Ecg24130dayforweb


 発症時(Xday)と、(X+30day)の比較です。

 

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 X+30dayでは、II, III, aVF の異常Q波と陰性T波が出現しています。

 V5,6 では、STは基線に戻り、V6 に僅かに陰性T波を認めます、よく見ると。

 4AVのみのACSは、回旋枝の末端(#13~#15)のそれと、ほとんど同じ領域です。心電図での鑑別は、困難です。

 最も、普通に緊急のPCIへ持ち込みこんで、確定されます。

 心カテが出来ず保存的に加療するならば、その責任冠動脈の同定はあまり意味を持ちません。

 上記の様に、微細に読まなくても、ACSと瞬時に理解し、循環器医師をコールできれば、心電図の役割は十二分です。

 この様なケースもあるんだと、思って下されば、今回の学びは終了です。



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