#blog-title{font-size:150%; }

Cardio2012のECGブログ-2019改

=上級医がやっている危ない心電図の見分け方= ECGにまつわる基本的な諸問題:総合診療部研修医と、ECG苦手医師のためのサイトです。

ECG-250:answer

 80才代女性で、安定状況での外来管理中です。

 発作性心房細動の既往がありますが、Holter-ECGを含め、ここ5年ほど発作は出現しておりません。でも、抗凝固療法を止めることが、私はできません。

 

 肥大型心筋症の心房細動症例は、心原性塞栓が起きやすい 

 と云う、tipsがあります。

 

 この症例は、典型的肥大型心筋症の心電図です。 


Ecg250hcmweb


 

  •   左室の著明な高電位です。
  •   ST低下と対称性と単純に云えないST低下。独特な形です。
  •   I , aVLと、側壁まで認める、しっかりした左室負荷像。
  •   心尖部肥大を、強く示唆しています。
  •   但し、流出路狭窄の有無は、心電図では分かりません。

 この心電図を見ただけで、HCM or HOCM と分かる方には、不要な解説でした。

 なお、

 で、心エコー図です。

ECG-250-左室長軸断層)

">

*左室の肥大が、明瞭ですね。

*収縮性は、良好です。

*非対称性肥大・・とは云い難い。

SAMも、わかりますね。

ECG-250-左室短軸断層)

">

*左室の短軸で、Maron分類の IIVに、当てはめますが、、

*7時方向が僅かに肥大を免れるだけ。

*なんとも、云いにくい。

ECG-250-心尖部肥大)

">

*最近の心エコー機は、近位分解能の高いので、心尖部肥大がある程度分かります。

*以前は、心筋シンチかMRIで、鑑別していました。

ECG-250-左室心尖部よりB/WcolorDoppler

">

*流出路の加速血流が認められます。モザイクの信号です。

SAMが認められる部位です。

 この心電図は、見ただけで、HCM(HOCM)を想起させるんだ、とご理解下さい。

 また、発作性心房細動を合併したHCM(HOCM)は、心原性脳塞栓を起こしやすいことを、忘れないで下さい。