完全房室ブロック(CLBBB)を、前壁中隔心筋梗塞と勘違いさせる、国家試験問題の定番ですね。
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クリックすると、ECGが拡大します。
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クリックすると、ECGが拡大します。
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まず、wide-QRSと気付くことが必要です。そして、QRSと連結したP波の存在です。
これから、鑑別すべきは、
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* CRBBB
* CLBBB
* WPW症候群
* ivcd ( intra-vetricular conduction disturbance )
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の三択になります。
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QRSと連結したP波の存在で、上室性のリズムとなって、VTは除外です。
デルタ波は、ありません。
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CLBBBの定義は、
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* QRS幅が0.12秒以上である。(=wide QRS)
* I , aVL,aV5-6 に septal-Qが存在しない。
そして、
* I , aVL,aV5-6 のQRSは上向きで、幅広く結節を作りやすい(十分条件か?)
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Wide-QRS(0.12秒以上)を、完全(complete)とするは、我々が決めた定義です。文句は云えません。
左脚が切断されているので、QRS初期に起きる心室中隔左室側→右室側への伝導がないはずで、I , aVL, aV5-6 に septal-Qが存在できません。
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なお、左室が最後まで興奮するならば、なんでV5-6 に s波があるんだ?となりますが、V7-9 まで記録すると、s波は無くなります。心臓自体の回転のためだと思います。
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現実的には、
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【 幅広いQRSで、一見(心室中隔梗塞様)だったら、CLBBBだろう 】
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と、瞬時に判定しております、私は。
あとは、上記の定義に戻って、頭の中で辻褄合わせしています。
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なお、この症例では左軸偏位が合併しております。
心内伝導障害が強く、より心筋障害が強いことが示唆されます。
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で、Xdayの障害については、answer(2/2)でご報告します。
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