あしたのために その1
CRBBBの本質 Ver.Up版ですよ😋
質問箱で、CRBBBの波形成立を説明して欲しい🥺
とのご依頼を受けました。
受けて立ちます😤
と云っても、Facebook接続可能でしたら次のビデオを見て頂くのが、一番分かりやすいと思います😋
https://www.facebook.com/watch/?v=1000836554121524
Facebook見ない方のために継ぎ足し説明。
一過性のCRBBBが出現した症例の12誘導心電図です。
完全右脚ブロック(CRBBB)が、出たり引っ込んだりしております。
脚ブロックない場合(青枠)と、CRBBBが出現した場合(赤枠)の違いをご覧下さい。
QRS前半(左室の興奮)は、脚ブロックあるなしで変化ありません。
QRS後半(遅れた右室の興奮)は、右脚が切れた状態での右室の興奮です。だらだらして、は倍広いですね。
この症例での、CRBBBとしての変化は、
*QRSがwideになっている。(0.12sec.以上)
*V1が、rsR'パターンに変化した。
*I誘導とV6で、幅広いdullなS波が出現した。
ですね。
◎ aVRでは、S波がST上昇と間違えやすい💦
◎ aVLも大きなS波あり。
これを説明します。
なお、これは典型的なCRBBBの説明です。
実際は、以下のようなvarietionがV1である事も知っていて欲しい‼️
心臓の水平断面(=胸部誘導)と胸部誘導の関係性です。
(本当は、V1,2 ↓ V3 ↓ V4,V5,6と、ちょっと段差ありますけど)
【V1が右室誘導である】ことは理解してね。
右室は前(胸骨側)にあり、左室は後(背側)なんです。
単純な右左関係ではない。
CRBBBのV1誘導です。
QRSの立上りは、心室中隔が左室側から右室側に興奮伝播します。
①は、正常伝導(=右脚ブロックがない)と同じでnarrowなR波です。
(この部分の表記を、r波とするかR波とするかは、エイヤッと決めて下さい)
CRBBBのV1波形です。
②は、左室の正常な刺激伝導系興奮によるS波です。左室の起電力です。
ここまでは、正常伝導と同じで narrowな波形となります。
(s or Sの表記も、エイヤッと決めて下さい)
CRBBBのV1誘導です。
左室の正常な興奮が終わった頃に、伝導系を介さない右室の興奮が、右室心筋を伝ってV1に向かって発生します。
反対側に引っ張る左室興奮がもう無いので、だらだとした高いR'波が形成されています。
V6の幅広いS波は、このミラーイメージです。
CRBBBのV1波形です。
V1(2,3)は、右室壁の興奮を反映しております。
刺激伝導系を介さない右室興奮のために、T波④は緩やかな陰性波となります。
これが(正常な)V1のCRBBB波形です。但しvarietionあります。
もし胸痛とCRBBBのV1陽性T波があれば、ACSの可能性あり!!
この美しい右心系の右脚の走行図は、Wikimediaでも参照できます。
*ヒス束から分かれて、右室中隔面を細い右脚が降りて行きます。
*moderator bandを渡って、右室乳頭筋群に電位を開放します。
これだ、正常な伝導をする時の流れです。
右脚が切断されてしまうと心筋の興奮は、
*心室中隔面でちょいと左から右に(心室中隔部分で)流れた後に、
*正常伝導系によって左室が興奮します。
*右室は心筋をゆっくり伝わりながら、QRS後半を形成します。
V1は、右室の前面にある単極誘導です。
右室に向かって来る波形はrsR’のR’となります。
右室全体の興奮表現なので、必ずr<R’となります。(または融合します)
CRBBBでのV1波形は、
rsR’になるとは限りません。
でも、よく見てみるとQRSの後半部分(=右室の興奮)が幅広いんです。
右室の興奮が正常刺激伝導で興奮できず、右室心室筋をゆっくりと伝わるためですね。
V2のレベルでは、
*右室の興奮 > 左室の興奮:A、D
*右室の興奮 < 左室の興奮:B
*右室の興奮 = 左室の興奮:C
など、いろいろなんですね。
この紫のライン上が、右室の遅れた興奮です。
CRBBBとCLBBBを対比して見ましょう。
これをすぐに判別出来るようになれば=理屈が分かった上で=アナタの理解はホンモノですよ(^_-)。
CRBBBの本質を、拡大versionでお届けしました。