#blog-title{font-size:150%; }

Cardio2012のECGブログ-2019改

=上級医がやっている危ない心電図の見分け方= ECGにまつわる基本的な諸問題:総合診療部研修医と、ECG苦手医師のためのサイトです。

【コラム-145】あしたのために その1 :CRBBBの本質 #心電図検定試験2023 の改訂版です💦

あしたのために その1

CRBBBの本質  Ver.Up版ですよ😋

 

質問箱で、CRBBBの波形成立を説明して欲しい🥺

とのご依頼を受けました。

受けて立ちます😤

と云っても、Facebook接続可能でしたら次のビデオを見て頂くのが、一番分かりやすいと思います😋

 

https://www.facebook.com/watch/?v=1000836554121524

 

Facebook見ない方のために継ぎ足し説明。

 

 

一過性のCRBBBが出現した症例の12誘導心電図です。

完全右脚ブロック(CRBBB)が、出たり引っ込んだりしております。

脚ブロックない場合(青枠)と、CRBBBが出現した場合(赤枠)の違いをご覧下さい。

QRS前半(左室の興奮)は、脚ブロックあるなしで変化ありません。

QRS後半(遅れた右室の興奮)は、右脚が切れた状態での右室の興奮です。だらだらして、は倍広いですね。

クリックすると、心電図が拡大します。

 

 

 

この症例での、CRBBBとしての変化は、

 

*QRSがwideになっている。(0.12sec.以上)

*V1が、rsR'パターンに変化した。

*I誘導とV6で、幅広いdullなS波が出現した。

 

ですね。

 

◎ aVRでは、S波がST上昇と間違えやすい💦

◎ aVLも大きなS波あり。

 

これを説明します。

クリックすると、心電図が拡大します。

 

 

 

なお、これは典型的なCRBBBの説明です。

実際は、以下のようなvarietionがV1である事も知っていて欲しい‼️

クリックすると、心電図が拡大します。

 

 

心臓の水平断面(=胸部誘導)と胸部誘導の関係性です。

(本当は、V1,2 ↓ V3 ↓ V4,V5,6と、ちょっと段差ありますけど)

 

【V1が右室誘導である】ことは理解してね。

 

右室は前(胸骨側)にあり、左室は後(背側)なんです。

単純な右左関係ではない。

 

 

 

CRBBBのV1誘導です。

QRSの立上りは、心室中隔が左室側から右室側に興奮伝播します。

①は、正常伝導(=右脚ブロックがない)と同じでnarrowなR波です。

(この部分の表記を、r波とするかR波とするかは、エイヤッと決めて下さい)

クリックすると、心電図が拡大します。

 

 

 

CRBBBのV1波形です。

②は、左室の正常な刺激伝導系興奮によるS波です。左室の起電力です。

ここまでは、正常伝導と同じで narrowな波形となります。

(s or Sの表記も、エイヤッと決めて下さい)

クリックすると、心電図が拡大します。

 

 

 

CRBBBのV1誘導です。

左室の正常な興奮が終わった頃に、伝導系を介さない右室の興奮が、右室心筋を伝ってV1に向かって発生します。

反対側に引っ張る左室興奮がもう無いので、だらだとした高いR'波が形成されています。

V6の幅広いS波は、このミラーイメージです。

クリックすると、心電図が拡大します。

 

 

 

CRBBBのV1波形です。

 

V1(2,3)は、右室壁の興奮を反映しております。

刺激伝導系を介さない右室興奮のために、T波④は緩やかな陰性波となります。

これが(正常な)V1のCRBBB波形です。但しvarietionあります。

 

 もし胸痛とCRBBBのV1陽性T波があれば、ACSの可能性あり!!

クリックすると、心電図が拡大します。

 

 

 

この美しい右心系の右脚の走行図は、Wikimediaでも参照できます。

*ヒス束から分かれて、右室中隔面を細い右脚が降りて行きます。

*moderator bandを渡って、右室乳頭筋群に電位を開放します。

これだ、正常な伝導をする時の流れです。

 

 

 

右脚が切断されてしまうと心筋の興奮は、

心室中隔面でちょいと左から右に(心室中隔部分で)流れた後に、

*正常伝導系によって左室が興奮します。

*右室は心筋をゆっくり伝わりながら、QRS後半を形成します。

 

 

 

V1は、右室の前面にある単極誘導です。

右室に向かって来る波形はrsR’のR’となります。

右室全体の興奮表現なので、必ずr<R’となります。(または融合します)

 

 

 

CRBBBでのV1波形は、

rsR’になるとは限りません。

でも、よく見てみるとQRSの後半部分(=右室の興奮)が幅広いんです。

右室の興奮が正常刺激伝導で興奮できず、右室心室筋をゆっくりと伝わるためですね。

クリックすると、心電図が拡大します。

 

 

 

V2のレベルでは、

*右室の興奮 > 左室の興奮:A、D

*右室の興奮 < 左室の興奮:B

*右室の興奮 = 左室の興奮:C

など、いろいろなんですね。

クリックすると、心電図が拡大します。

 

 

 

この紫のライン上が、右室の遅れた興奮です。

クリティカル

 

 

CRBBBとCLBBBを対比して見ましょう。

これをすぐに判別出来るようになれば=理屈が分かった上で=アナタの理解はホンモノですよ(^_-)。

クリックすると、心電図が拡大します。

 

 

 

CRBBBの本質を、拡大versionでお届けしました。