#blog-title{font-size:150%; }

Cardio2012のECGブログ-2019改

=上級医がやっている危ない心電図の見分け方= ECGにまつわる基本的な諸問題:総合診療部研修医と、ECG苦手医師のためのサイトです。

ECG-316:answer (1/2)

まず、このイベント6カ月後の心電図を、 読んでみます。

 

* 洞調律です。

* aVRで陰性P + aVFで陽性P = 上肢の左右の電極付け間違え無し。

* I, aVL, V5-6のQS pattern  → 広い側壁の陳旧性梗塞。

* II, III, aVF でのQ波無し。

 

(回旋枝の)  側壁の陳旧性梗塞ですね、は問題ないでしょう。

 

私の考えるポイントは、V1-4のr波をどう解釈するかです。

R(r)波の存在 = その誘導の心筋は元気です! はちょっと早とちりになります。

 

(解釈-1)

大きな回旋枝のACSである。

回旋枝の支配領域 = 側壁であり、心電図変化を説明出来る。

 

(解釈-2)

前下行枝のACSである。

広範な前壁梗塞であるが、一部残存心筋がV1-4の r 波を形成している。

よく見ると、V2で最大となった後、r 波高は減衰しています。

(RRWP : Reversed R Wave Progression)です。

 

それは、こういうイメージです。

f:id:heart2019:20190509004846j:plain

クリックすると、心電図が拡大します

 

 どっちなんでしょうか? (解釈-1) or   (解釈-2)

 

あなたは、6カ月前のイベントの内容を知りません。(の前提です)

 

【Question-2】 どのような検査で、それを推定しますか?

 

で、answer(2/2)となります。