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Cardio2012のECGブログ-2019改

=上級医がやっている危ない心電図の見分け方= ECGにまつわる基本的な諸問題:総合診療部研修医と、ECG苦手医師のためのサイトです。

ECG-338:answer (1/2)

 

 外傷に気を取られて、ER心電図判断が甘かったようです。実際自覚症状はありませんでした。(あっても覚えていない)

 

 ERの心電図(X day)です。

*洞調律です。ボーとしていると、正常に見えるカモ。

*V4,5,6で、ST上昇とT陰転化があります。

*よく見ると、I, aVLでもT波陰転化を示します。

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なんかヤバイんじゃないか、と心エコーを(その気で)きちんと見てみるべきでした。外傷に目を奪われたようです。

 

 

 入院翌日(X+1 day)の心電図です。

*洞調律のままです。

*胸部誘導の陰性T波が、はっきりと深くなりました。 

(四肢誘導は、カブレラ配列です)

 

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クリックすると、心電図が拡大します

同日、準緊急の心カテを行っています。

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クリックすると、拡大します

LCX(#13)と、LAD(#6)に有意狭窄を認めました。

心カテ直前の心エコーでは、広範囲の心尖部壁運動低下(心室瘤形成)を認めました。 

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 経時的心筋酵素変化は、この入院期間中は下記のような変化でした。

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クリックすると、拡大します

 

 

(PCI前:LCAの造影)

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この時点での判断は、虚血性の心筋障害でした。

病変がよりきつい回旋枝のPCIを施行し、一旦終了しました。

 

 

(PCI後:LCAの造影)

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 Staged PCIを、X+5th. dayにLADに対して行う予定としました。

 

 さて、ココまでで、何か違和感ありませんか?

 心エコーに携わっている方は、どう感じたでしょうか。

 

To be continued (answer-2/2)