(LCA-CAG : control)
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LCAです。
LAD(前下行枝)は、#6,#7に強度の狭窄を認めます。
LADは造影遅延を認め、99%狭窄となります。
LCX(#13)にも狭窄高度です。ちょっと遅延ありか。
(RCA-CAG : control)
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RCAとLCXの両方が完全閉塞だと、責任病変がどちらか、かなり悩みますが、今回は#1の完全閉塞です。
また、以下の法則を再確認しましょう。
RCA #1 の完全閉塞であり、上記の心電図変化の変化より、責任病変はRCAです。
ACSでは、まず責任病変の血流再開を優先します。
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RCAへのPCIが成功した後、血行動態は安定しており、IABP/BiPAP等は必要ありませんでした。
LCX,LADへのPCIは、後日施行されています。
A.) 心不全・不整脈がコントロールが難しい場合には、循環補助しつつ、PCIを一期的に行う。
B.) 待期的にLCAへのPCIを行う。この際、血行動態破綻リスクを最小限に進めるために、LCXより開始しました。LCXへのPCI成功後、LAD(#6,#7)へのPCIを引き続き施行しています。
もし、LAD病変が#6(just proximal)ならば、戦略は変わっていました。他を犠牲にしても、LADはrescueされねばなりません。
大雑把に云うと、LAD支配領域=(RCA)+(LCX)の支配領域ぐらいの差があります。
心電図の経時的変化です。
X+10daysでは、
* II誘導のR波が減高
*III,aVFで、QS波と陰性T波出現
*胸部誘導(V2-5)の陽性T波出現(後壁の虚血:ミラーイメージ)
を認めます。
心エコーでの壁運動障害は、RCA-PCI後(& LCA-PCI前)の状況で、下後壁のmoderate-hypokinesisを認めるのみでした。この患者さんが持っていた幸運なのでしょう。
【ACS急性期心電図が、重症度を表さない事もある】