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Cardio2012のECGブログ-2019改

=上級医がやっている危ない心電図の見分け方= ECGにまつわる基本的な諸問題:総合診療部研修医と、ECG苦手医師のためのサイトです。

ECG-346:answer

70才代の女性です。

*安定状況での心電図でした(緊急状態でない)

*何年もこの心電図のままです。

 

では、心電図を見てみましょう。

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クリックすると、心電図が拡大します

 

      読み込んで下さい(60秒間)

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判読します。 

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*洞調律です。

*電気軸問題なし。(変な右心負荷無し)

*R波が胸部誘導で減高している。

  →RRWP:Reversed R Wave Progression

  →PRWPより、虚血を強く示唆します

  →高くなるべきR波が減高するのは、心筋障害の証し

*V3-5でのST上昇がある。

  →心尖部に心室瘤か?

*T波の陰転化が、心尖部から側壁に拡がっている。

 

心エコーでの心尖部心室瘤の影響で、説明出来ます。

QS-patternありませんが、それは心室瘤が小さいためなのでしょう。

 

もう一度、心エコー図を見てみます。

 

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 (左室長軸像が心窩部アプローチなのは、そこしかきれいに記録出来なかったからです。心尖部を除いては)

 

 

(心尖部四腔像:zoom)

[http://         :title]

  

 

わっ、たこつぼ!!と思いそうですが、ちょっと待った。

 

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心尖部瘤をよく見ると、心筋成分がほぼありません。完璧な梗塞後です。(hinge pointあります)

仮性心室瘤の可能性も考えてしまいます。これは、亜急性期によく破裂するんですけど。

 

責任病変は、前下行枝しかちょっと考えられない。#7の遠位側か#8となります。けっこう心尖部を巻いてたんでしょう。(通常は、#6か#7近位部の閉塞でACSは発生します)

 

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shindenzunoheya.blog.jp

 

 

 

心電図検定試験も、1級だとこの辺聞いてくる可能性はありますね、よう知らんけど。

 

【 RRWPという概念は、覚えて下さいね。】