70才代の女性です。
*安定状況での心電図でした(緊急状態でない)
*何年もこの心電図のままです。
では、心電図を見てみましょう。
読み込んで下さい(60秒間)
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判読します。
*洞調律です。
*電気軸問題なし。(変な右心負荷無し)
*R波が胸部誘導で減高している。
→RRWP:Reversed R Wave Progression
→PRWPより、虚血を強く示唆します
→高くなるべきR波が減高するのは、心筋障害の証し
*V3-5でのST上昇がある。
→心尖部に心室瘤か?
*T波の陰転化が、心尖部から側壁に拡がっている。
心エコーでの心尖部心室瘤の影響で、説明出来ます。
QS-patternありませんが、それは心室瘤が小さいためなのでしょう。
もう一度、心エコー図を見てみます。
(左室長軸像が心窩部アプローチなのは、そこしかきれいに記録出来なかったからです。心尖部を除いては)
(心尖部四腔像:zoom)
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わっ、たこつぼ!!と思いそうですが、ちょっと待った。
心尖部瘤をよく見ると、心筋成分がほぼありません。完璧な梗塞後です。(hinge pointあります)
仮性心室瘤の可能性も考えてしまいます。これは、亜急性期によく破裂するんですけど。
責任病変は、前下行枝しかちょっと考えられない。#7の遠位側か#8となります。けっこう心尖部を巻いてたんでしょう。(通常は、#6か#7近位部の閉塞でACSは発生します)
心電図検定試験も、1級だとこの辺聞いてくる可能性はありますね、よう知らんけど。
【 RRWPという概念は、覚えて下さいね。】