Wide QRS tachycardiaは、心室頻拍でないと分かるまで、心室頻拍として対応するのが吉です。
心室頻拍=VT:ventricular tachycardia
*器質的心疾患(+)の時は、VT決め打ちです!
ex. 陳旧性心筋梗塞の64才男性。動悸発作。
*12誘導心電図だけで、VTの確定は不整脈専門医でも半分くらいしかできません@香坂俊先生。
と云う事で、典型的なVTの所見・12誘導心電図を理解し、覚えてしまいましょう。検定試験でも、実臨床でも、一般医に求められるのは、そこまでです。やり過ぎても、妄想となります。
Wide QRS tachycardiaが、VTと判断される所見を理解するために
★ 下降軸
★ 上方軸
★ LBBB パターン
★ RBBB パターン
を理解しましょう。VTの発生源の同定に繋がります。
(流出路起源のPVC/VT)
右室・左室の流出路は、心室の一番高い位置にあります。
そこからPVC/VTが発生すると、II,III,aVFに背高のっぽのR波が出現します。電気軸はほぼ真下を向いているので、下方軸です。
陽性の高いR波なのに、下方軸です。間違えないでね!
(心室下部からのPVC/VT)
II,III,aVFで、下むきのwide QRS(QS,rS)となります。
陰性のQS,rSですが、電気軸は上を向いているので、上方軸です。
(下壁の心筋梗塞などに合併しやすい)
RBBBパターン = 右脚ブロック様の胸部誘導波形のVT
LBBBパターン = 左脚ブロック様の胸部誘導波形のVT
この(様の)がポイントです。似てるけど違うんです。
もし、きれいなCRBBB/CLBBBの形ならば、脚ブロックをベースとした上室性頻拍を示唆します。VTとの鑑別点ですね。
PVC/VTの発生源が右室側にあれば、心室内興奮は右室→左室方向に向かうので、LBBBパターンとなります。
PVC/VTの発生源が左室側にあれば、心室内興奮は左室→右室方向に向かうので、LBBBパターンとなります。
この二つが、まず覚えるべきVTパターンです。
12誘導心電図上の波形も覚えてね。
なお、流出路起源のVTでは、I誘導のQRSはいろんか形をとります。覚えようとしないで、色々あるんだと思って下さい。
(EPS,アブカテを行う不整脈専門医の方々レベルです)
問題の心電図です。
ベラパミル感受性心室頻拍です。
V6で,r<<<SもVTを強く示唆する所見です。
次回は、他のVTらしい所見を提示します。
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