#blog-title{font-size:150%; }

Cardio2012のECGブログ-2019改

=上級医がやっている危ない心電図の見分け方= ECGにまつわる基本的な諸問題:総合診療部研修医と、ECG苦手医師のためのサイトです。

コラム:S1Q3T3のTips (2020年度のUpdate版)です。

2012年にコラムしていたのを、Updateして載せました。

 

twitterでも、S1Q3T3への関心は大きいですね。

 

 

S1Q3T3 の意味するもの(当然、肺塞栓[PE]なんですが)

*S1Q3T3は、McGinn-White patternと呼ばれています。

*心エコーもろくにない時代に、確立した所見です。(ここが、大切ですね)1935年です。太平洋戦争の前ですよ。

*肺塞栓の心電図所見として、皆が暗記するけれど、あんまり信用していない代表なんです。肺塞栓の10~20%でしか記録されません。

*実際は感度の高い肺塞栓の心電図所見は、頻脈のみです。

*この(S1Q3T3)とは、急性右心負荷による、心電図の悲鳴と捉えて下さい。

S1も、Q3も、右心負荷→右軸偏位の表現です。

*なぜ、T3(陰性T波)が選ばれたのかは、私にはよくわかりません。

*調べてみて、よくわからない(説明し難い):と云う結果のみ得ました。

*Q3があって、Q2(=II誘導)が無いのがポイントだ!との指摘は見ました。

*なお、Q3は大きなQ波とは、限りません。T3も、よく見れば陰性T波・・程度もよくあります。いろんな書籍で紹介される心電図を、見る限り。 S1Q3T3よりも、s1q3T3の方が感覚的に合います。

S1Q3S6、として教えている書もあります。

*このS6(V6のS波)も、右心負荷の表現ですね。

*しかも、このsignの出現は肺塞栓発症後、数時間~1日くらいかもしれない、と云う儚いもののようです。

心外膜炎の friction-rub のように、これを知り得た医師は、幸運なんですね。

*心電図で、肺塞栓確定診断はありません。

*その可能性の気付きになれば、十二分に役目を果たしています。

以前の心電図と比較するのが、この所見出現に大きな価値を与えます。

 

 このように、何とかの3徴的指標は、覚えるのにちょうどいいようです。

 二つでは、特異度が低いし、四つ以上だと覚えられない。

 三つは、ちょうど頃合いがいいんです。と、マッシー池田先生が、書かれていたと思います。

 

 

 

 

******************************** 

佐々木達哉先生との共著が、2020/1/23に発刊されました。

医事新報社からです。

循環器版の(思考のレッスン)です。

村川裕二先生から、素敵な(推薦の辞)を頂きました。

まずは、立ち読みして下さい。私が援護射撃した佐々木ワールドが満開です。

 

https://www.amazon.co.jp/レジデントのための循環器教室%E3%80%88症例で学ぶ循環器診療のリアル〉-佐々木-達哉/dp/4784948759/ref=sr_1_1?__mk_ja_JP=カタカナ&keywords=佐々木達哉&qid=1577794530&sr=8-1

 

 

 

f:id:heart2019:20191229192555j:plain


 

 

pastedGraphic.png

.

 

【(上級医がやっている)危ない心電図の見分け方】 Amazon

 

 

【(上級医がやっている)危ない心電図の見分け方】 医事新報社

.

医学電子書籍(M2PLUS)の導入方法は、こちら。

.

M2PLUSのwebsiteは、こちら。