40才代男性の、胸部不快感でのER受診です.
前下行枝・近位部閉塞でした。第一対角枝分岐直前での99%狭窄のACSです。
緊急事態ですよね。すぐさま、カテ室へ行きます!
でも、ここは心電図判定を行って下さい。
ポイントは、V2-5のST上昇がある場合に、
*下壁誘導でのST低下=ミラーイメージであることです。
*たこつぼ心筋症では、このミラーイメージが起きません。
(apical ballooningの場合ですが)
経時的変化を示します。
◎V1でのST上昇がないのは、LAD-ACSでもたこつぼ心筋症でも有り得ることです。
◎V2-4での二相性T波は、Wellens症候群を示唆します。しかし、たこつぼ心筋症でのST上昇が巨大陰性T(GNT)となる過程で起きても不思議はありません。
◎この症例で、V1のST上昇がないのは近位部閉塞ながらLMTとちょっと離れているからです。
◎LCXは、十分な支配領域があります。V6はLCXの支配領域となっており、STーT変化が微妙となっております。
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佐々木達哉先生との共著が、2020/1/23に発刊されました。
日本医事新報社からです。重版されました。
循環器版の(思考のレッスン)です。
村川裕二先生から、素敵な(推薦の辞)を頂きました。
まずは、立ち読みして下さい。私が援護射撃した佐々木ワールドが満開です。
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【(上級医がやっている)危ない心電図の見分け方】 医事新報社】
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