上記の空欄に冠動脈の名称を記入せよ。
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前下行枝の閉塞を起こしたACS患者の冠動脈造影所見です。
動画で分かるように、前下行枝の近位部が閉塞して、著明な遅延造影となっています。
PCIによる閉塞部位に、バルーン拡げたステントを留置しています。
ステントは形状記憶合金で出来ており、拡がった形を維持します。
薬剤溶出性ステントであり、血栓性の再閉塞も防ぎます。
(ステント留置した後の、冠動脈造影所見です)
正常な左室の短軸解剖図です。
約10-12mmほどの厚さの左室壁が認められます。
下壁の急性心筋梗塞が起きています。
閉塞した冠動脈の支配域が徐々に壊死を起こしていきます。
この時点で、壁運動は障害されています。
PCIを、緊急で行う理由です。
時間が経過して、下壁の壊死が完成した状態です。
下壁の心筋成分が失われて、菲薄化しています。
この部分は壊死が完成しているので、血流を戻しても壁運動は蘇りません。
前下行枝領域に発生した広範囲な心筋壊死が、心室瘤を作っています。
心機能の低下は著しく、心不全を惹起する場合があります。
また、左室内血栓が生じて、塞栓症(脳梗塞・腎梗塞・急性心筋梗塞)を引き起こす場合があります。
心筋の壊死は、心室内の電気的興奮の秩序を乱し、致死的不整脈(心室頻拍・心室細動)を引き起こすこともあります。
IABP(大動脈内バルーンポンピング)
*大腿動脈から、IABPバルーンを胸部下行大動脈まで、挿入します。
*バルーンは、心電図・大動脈圧に同期させます。
◎拡張期に膨らむ(=冠動脈・脳に血流を押し入れる)
◎収縮期にしぼみます(=血管抵抗を急激に下げて,心臓からの血液駆出を助けます)
*心臓の酸素消費量を減らし、(圧力によるつっかえ棒)として冠動脈の再閉塞を防ぎます。
合併症:心拍数と同期して、バルーンが大動脈内で拡張・収縮を繰り返します。大動脈壁から動脈硬化の壁が細かく剥がれて、下肢動脈を閉塞することがあります。下肢・足部の冷感・チアノーゼに常に留意します。
運動負荷試験による心電図変化です。
冠血流の障害があると、運動負荷にて
狭心痛とST低下が生じます。
運動中のST低下(赤矢印)です。
この症例は、右冠動脈に完全閉塞、前下行枝に99%狭窄を認めています。
心筋梗塞における心電図変化は、
*ST上昇
*異常Q波の出現
*冠性(陰性)T波の出現
が、国家試験的には必須の知識となります。
実際の心電図から判定をさせる問題は、過去10年間出題されていません。
*実臨床上は、病変部のST上昇と対側でのST低下(ミラーイメージ)の存在を持って、旧政官梗塞と心電図診断します。
この症例では、右冠動脈の遠位部に閉塞があり、PCIにて改善を得ています。
ER時と、三ヶ月後の心電図の比較です。
*急性期のST上昇(とST低下)は、慢性期には消失し、異常Q波と冠性T波が出現しました。