故あって、コラムが続いております。
S1Q3T3 の意味するもの(当然、肺塞栓なんですが)
*S1Q3T3は、McGinn-White patternと呼ばれています。(今回、調べて知りました)
*心エコーもろくにない時代に、確立した所見です。(ここが、大切ですね)
*肺塞栓の心電図所見として、皆が暗記するけれど、あんまり信用していない代表なんです。肺塞栓の10〜20%でしか記録されません。
*実際、感度の高い肺塞栓の心電図所見は、頻脈のみです。
*この(S1Q3T3)とは、急性右心負荷による、心電図の悲鳴と捉えて下さい。
*S1も、Q3も、右心負荷→右軸偏位の表現です。
*なぜ、T3(陰性T波)が選ばれたのかは、私にはよくわかりません。
*なお、Q3は大きなQ波とは、限りません。T3も、よく見れば陰性T波・・程度もよくあります。いろんな書籍で紹介される心電図を、見る限り。
*S1Q3S6、として教えている書もあります。
*このS6(V6のS波)も、右心負荷の表現ですね。
*しかも、このsignの出現は肺塞栓発症後、数時間~1日くらいかもしれない、と云う儚いもののようです。
*心外膜炎の friction-rub のように、これを知り得た医師は、幸運なんですね。
*心電図で、肺塞栓確定診断は、ありません。
*その可能性の気付きになれば、十二分に役目を果たしています。
*以前の心電図と、比較するのが、この所見出現に、大きな価値を与えます。
このように、何とかの3徴的指標は、覚えるのにちょうどいいようです。
二つでは、特異度が低いし、四つ以上だと覚えられない。
三つは、ちょうど頃合いが、いいんです。と、マッシー池田先生が、書かれていたと思います。
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症例-131の肺塞栓の心電図を再掲
クリックすると、ECGが拡大します。
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