【コラム-051】S1S2S3パターンを、よくよく考えてみます。
S1 S2 S3 パターンは、とりあえずnormal varientと捉えて、異常心電図扱いしない。これが、基本的取扱です。(不定軸:電気軸を考えない)
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典型例を、提示します。
クリックすると、ECGが拡大します。
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◎ 右室肥大と、間違えない。
◎ 左脚前肢ブロックと、間違えない。
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日常はこれで事足りるのですが、(何が起きてんだ?)は、やっぱり知りたいですよね。
小さなS波は、I, II, III 誘導で出現することがあります。
S1 S2 S3 パターンと呼ぶ場合は、この全てで R≦Sとなっている場合を指すのが、ふつうです。
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ベクトル心電図によるベクトル冠の概念を理解していると、わかりやすいようです。(ベクトル心電図を習得するのは、至難の業ですが。。)
電気興奮の主体は、背側・右上方に向かいます。
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クリックすると、拡大します。
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一種の心室内伝導異常のようです。QRSの前半と後半で、ベクトル方向が大きく異なるので、あえて軸を設定しない=不定軸(undetermined axis)とすることが、勧められています。
COPD関連で、認めやすい。小児では割と多く、経年的に消えていく。
どうしても気になって、胸部レントゲン・心エコーを行い、それで何も異常所見がなければ、深追いしないで下さい。
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典型的な S1 S2 S3 パターンでは、胸部誘導が全てR=Sパターンとなることがあります。不思議なベクトルですね。
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(これは、S1,2,3パターンに必須の所見ではないので、ご注意を。)
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考えれば考えるほど、わからなくなります。明瞭な説明でないことを、自覚しておりますので、ご容赦をm(_ _)m。
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