Question:次の胸部誘導心電図で、完全右脚ブロックとしておかしいものはあるのか?(全て洞調律である)
設問
1.CRBBBは、AとC
2.CRBBBは、AとBとC
3.CRBBBは、AとCとD
4.CRBBBは、全部だよ。
正解は、(CRBBBは、全部だよ。)でした。
V1が一峰性でもCRBBBなの?が、きっと疑問だったと思います。CRBBBの本質を学ぶ上で、ポイントなんです。
QRS幅が0.12秒(3mm)以上でVTでない場合に、
*V1でマクドナルド(M)型は、CRBBB
*V6でマクドナルド(M)型は、CLBBB
と、まず覚えちゃいますよね。
これは入門編としては、OKだと思います。
ですが、形態認識だけで覚えると、すぐにつまづきます。
典型的な完全右脚ブロック(CRBBB)の波形は、次のようになります。
右脚が電気的に切断されると、右室心筋は=ジョジョの波紋の様に=ゆっくりと伝播で興奮していきます。
atlas of CARDIAC ANATOMY(CC license)の図で見ると、分かりやすいでしょう。
V1のwide QRSが一峰性か、二峰性かは、CRBBBの本質ではありません。右室内を=刺激伝導系ではなく=心筋によるゆっくりとした伝導が起きているのが、病態(電気)生理です。
設問を、もう一度見てみましょう。
V2では、全部RsR'波形=M型ですね。
左室の興奮→右室の興奮と、時相がズレているのが分かります。(V2で、全てが解明される訳でもアリマセン)
そして、V1では(遅れた右室の興奮波形)であるR'が一番高くなります。
一峰性でも、R’にあたる部分(後半成分)が一番高い。
このR'の頂点から垂線をV6へ下ろすと、幅広いS波となります。この高く幅広いR'(at V1)は、幅広いS波(at V6)になるんですね。
参考文献
*JHRS2023:心電図アカデミーで配布されたスライド集
*マイスターチャンネル: