#blog-title{font-size:150%; }

Cardio2012のECGブログ-2019改

=上級医がやっている危ない心電図の見分け方= ECGにまつわる基本的な諸問題:総合診療部研修医と、ECG苦手医師のためのサイトです。

ECG-278:answer

  70才代男性。胸部不快発作でした。 

  下壁のACSです。異論はない、と存じます。

Ecg2784web

クリックすると、ECGが拡大します。

 

◯  II, III, aVF で、ST上昇です。

◯  I, aVL のST低下は、上記のミラーイメージです。

◯  II<III としてのST上昇です。

   普通は、右冠動脈のACSと考えますよね。

   でも、異論を唱える誘導もありました。

◯  V7,8,9 のST上昇あります。

◯   右側胸部誘導のST上昇が、あるか?ないか?ちょっと迷います。

 あれれ、もしかして回旋枝かな??

 心エコーでは、下壁の運動障害がある。結局、責任冠動脈がよく分からない(・_・?)。

  たぶん,RCA-ACSだと見当を付けて、心カテを行いました。

Ecg2783pcilcxweb

クリックすると、拡大します。

 

 

  回旋枝 #13の完全閉塞でした。

  小さな右冠動脈(small RCA)です。下後壁を、栄養していませんね。

  PCI後の回旋枝の支配領域は、けっこう広いです。

  このように、small RCAで、右冠動脈が右室枝か栄養していない事が、時々あります。(逆もあります) LCX-dominantと表現されます。

  そもそも、 II or III としてのST上昇の(比較)は、RCA,LCXが普通に左室を栄養/支配しているのが、前提です。このような、LCX-dominatな状況で、通用する法則ではありません。

  心電図の役目は、ACSだと警告する事なんです。

  まいど、お伝えしている教訓です。

【 ACSと診断出来たならば、責任冠動脈には拘りすぎない! CAGで分かるから。 】

.

2015_9_27_2