発症4日目のACSでした。心不全は、どんどん進行し、電撃性肺水腫の状況で、ER受診となっております。
CPK値はすでにピークアウトしており、心エコーでは下後壁の壁運動低下が著明でした。
最終的に挿管・人工呼吸器管理下でのPCIとなっています。
ER心電図の判読です。
洞調律です。
*II, III, aVF でのST上昇(↑)と、Q波(*)の存在。
*(ミラーイメージとしての)aVLでのST低下(↓)です。
*V2-4のST低下は、CRBBBで説明困難です。後壁のACS所見とするのが、妥当でしょう。
亜急性期のACS心電図でした。
Q波も完成しており、時間が経っているようです。
PCI直前のCAG所見です。
2枝病変でした。
*#3の完全閉塞。 (▲)
*#2の90%狭窄。 (▲)
◎#13の完全閉塞。 (▲)
◎#12の90%狭窄。 (▲)
右冠動脈と回旋枝と、どちらが今回の主病変かちょっと迷うかもしれません。心エコーで下後壁の壁運動低下があっても、どちらが主病変かは、確定できません。
上記心電図所見より、側壁(回旋枝)の虚血より、右冠動脈主体のACSと判断し、RCAへのPCIをまず施行しました。
心電図が、PCIという治療方針に役だった症例です。
(LCXへのPCI)
ACSにおける心電図の意義は、直感的にACSだ!と思えることです。それ以上は、他の検査に委ねます。一般医はこれでOKなハズです。
しかし、この症例では治療方針(PCI順序の選択)が心電図で決まりました。循環器医は、拘りますね。
【2枝病変での責任病変決定に、心電図は役に立つ!】
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この後、再度のPCIも有りましたが、また別の物語です。