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Cardio2012のECGブログ-2019改

=上級医がやっている危ない心電図の見分け方= ECGにまつわる基本的な諸問題:総合診療部研修医と、ECG苦手医師のためのサイトです。

ECG-290:80才代の女性。夜間突然のchest discomfort/dyspneaです。

   80才代女性です。

 前日(22:40)、眠っていて突然の胸部絞扼感・胸痛が出現しました。咳き込むので家族が心配すると、すぐ良くなるよ、と様子を見ることになりました。
 1時間後さらに咳込み、胸痛が続くために、日付が変わってすぐの救急搬入となっています。
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 以下、搬入後のERでの看護記録です。
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【 0:13 】    (X-1 day) 22:40頃。就寝中に呼吸苦、胸痛発症にて救急要請となる。(救急車よりの)ホットラインにてST上昇あり。3番ストレチャーに直受け。冷汗なし。皮膚湿潤軽度あり、末梢少し冷たい。右前腕よりサーフロー20Gで血管確保。逆血有り。しびれなし。血ガス採取。採血施行。点滴・ソルデム1 500mL投与開始。ポータブルにて胸部レントゲン施行。胸部絞扼感あり。呼吸苦有あり。放散痛なし。左手しびれなし。嘔気、嘔吐なし。家族付き添いあり。
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【 0:22 】 心電図施行。
             血圧 右=132/s mmHg、左=140/s mmHg。左右差なし。
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【 0:31 】 心電図上、V4,5はT波陰転あり。II, III, aVFのSTが少し上昇をしているため、循環器コンサルト。もともと狭心症の既往あり、胸部絞扼感持続しているとのこと。
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【 0:58 】 バファリン・エフィエントを内服。
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【 1:10 】  右大腿から動脈ガス採取。 14F膀胱留置カテーテル挿入。
              抵抗なし。尿混濁なし。浮遊物なし。
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【 1:20 】 喘鳴あり挿管することとなる。(仰臥位を維持出来ないため)
      挿管前に家族と面会して頂く。
          挿管施行。ID7.5、右口角21cm固定。エア入り良好。
          トータルでフェンタニル2A投与、ミタゾラム5mg投与。
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【 1:35 】    DSA室へ。 (緊急のCAGです)
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Question:上記を知った上での搬入時の心電図診断です。
         心電図診断をして下さい。
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Ecg2901erweb

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