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Cardio2012のECGブログ-2019改

=上級医がやっている危ない心電図の見分け方= ECGにまつわる基本的な諸問題:総合診療部研修医と、ECG苦手医師のためのサイトです。

ECG-300:answer(1/3)

**いよいよ300症例目となりました。毎日200カウントを超える訪問を頂き、ここまで頑張ることができました。感謝です。**


 60才代女性です。突然の胸痛・気分不良での搬入です。

こんな心電図を、一年目研修医が一人で見たら、びっくりしますね。

とにかく、心電図判読です。


Ecg3003erweb

クリックすると、ECGが拡大します。

 

  ミラーイメージでは、説明し難い広範で著明なST低下があります。これをしてnon-STEMIとか、考えないでね。I,aVLで、STは上昇しているし。

   さらに決定的なのは、aVRでの著明なST上昇です。

   LMT病変、またはLMT equivalent(#6,#11の起始部でdoubleの重度狭窄)を想起します。

   但し、ERでちょと不思議だったのが、前壁中隔が心エコーで少し動いて見えた事だったようです。

緊急心カテです。PCI前の造影です。

Ecg3004prepcicagweb



 

 LMTの完全閉塞でした。

 予想どうりであり、大変な戦いの始まりでした。(ここは、次回)

  なお、RCAの造影後半では、LAD本幹がきれいに描出されています。このしっかりした側副血行路が、ERまでたどり着けた理由なのでしょう。

 なお、入院して3日目に、心房細動波形を記録しました。


Ecg3005x2dayweb

クリックすると、ECGが拡大します。

 肥大型心筋症に合併した発作性心房細動→左心耳内血栓によるLMTの血栓性閉塞だったようです。(議論となる部分ですが。。)

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  answer(2/2)で、その後の経過と、この疾患についての論議をご紹介します。

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