**いよいよ300症例目となりました。毎日200カウントを超える訪問を頂き、ここまで頑張ることができました。感謝です。**
60才代女性です。突然の胸痛・気分不良での搬入です。
こんな心電図を、一年目研修医が一人で見たら、びっくりしますね。
とにかく、心電図判読です。
クリックすると、ECGが拡大します。
ミラーイメージでは、説明し難い広範で著明なST低下があります。これをしてnon-STEMIとか、考えないでね。I,aVLで、STは上昇しているし。
さらに決定的なのは、aVRでの著明なST上昇です。
LMT病変、またはLMT equivalent(#6,#11の起始部でdoubleの重度狭窄)を想起します。
但し、ERでちょと不思議だったのが、前壁中隔が心エコーで少し動いて見えた事だったようです。
緊急心カテです。PCI前の造影です。
LMTの完全閉塞でした。
予想どうりであり、大変な戦いの始まりでした。(ここは、次回)
なお、RCAの造影後半では、LAD本幹がきれいに描出されています。このしっかりした側副血行路が、ERまでたどり着けた理由なのでしょう。
なお、入院して3日目に、心房細動波形を記録しました。
クリックすると、ECGが拡大します。
肥大型心筋症に合併した発作性心房細動→左心耳内血栓によるLMTの血栓性閉塞だったようです。(議論となる部分ですが。。)
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answer(2/2)で、その後の経過と、この疾患についての論議をご紹介します。