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Cardio2012のECGブログ-2019改

=上級医がやっている危ない心電図の見分け方= ECGにまつわる基本的な諸問題:総合診療部研修医と、ECG苦手医師のためのサイトです。

ECG-337:answer(1/2)

 60才代の男性で持続する胸痛でした。

 PCI前後のシネ画像をまずご覧下さい。

 

 (PCI前:LCAの造影)

[http://:title]

 

 

 (PCI後:LCAの造影)

[http://:title]

 

 

回旋枝(LCX)・#12(鈍角枝/OM1)の遠位端閉塞でした。PCIにより、再疎通出来ました。

 

 

結果を知った上で、心電図を見てみましょう。 

 

*心房細動です。

*CRBBBベースです。

*V1-4のST低下があります。T波陰転だけではない。

*これは、CRBBBだけで説明難しい。

*V6では、ST上昇があります。

*I,II誘導でも、ST上昇??。なんか気になります。

◎V1-3のST部のnotchは、f波です。気にしない。

 

胸痛絡みでこの心電図ならば、ACSから考えます。

V1-4のST低下(=後壁のミラーイメージ)と、V6のST上昇からは回旋枝領域の新鮮虚血を、まず疑います。

 

f:id:heart2019:20190925144759j:plain

クリックすると、心電図が拡大します

 

 

 こんなV6のST上昇で、ACS疑うの?

 回旋枝のACSは、心電図診断の鬼門です。可能なら、V7-9まで記録しましょう。V1-4のST低下とペアで考えれば、納得できますよね。(患者さんのために、納得して下さい!)

 

 さらに、心エコー所見を回旋枝領域に意識を集中して見てみましょう。

 

To be continued (answer-2/2)