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Cardio2012のECGブログ-2019改

=上級医がやっている危ない心電図の見分け方= ECGにまつわる基本的な諸問題:総合診療部研修医と、ECG苦手医師のためのサイトです。

ECG-354:answer(2/3)= 心電図検定試験:傾向と対策 Q.002 =

WPW B  (右室後壁側のケント束)

 

=中級編解説(のつもり)

 

*顕性のWPW症候群の本質は、デルタ波があることです。

 

*どの誘導かに、必ずデルタ波があるはずです。(あるから顕性WPW症候群です)。探しましょう、デルタ波を。

 

*ケント束の部位によって、V1の波形が異なるために、ここで型分類します。

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クリックすると、心電図が拡大します

 

*ところが!・・・ケント束はいろんな場所にあるんですね。A,B,Cと単純に分けるだけでは、カテーテルアブレーションは出来ません。12誘導心電図で事前推定が、ある程度行われます。

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*理解して覚えるべきは、

  ◎ A型は、V1がAの形になる。(R>>S)

  ◎ B型は、V1に r 波がある。(r<<S)

  ◎ C型は、V1がQS patternにある。 

 

 

 

 

(理解するために)

 

 ◎ A型は、V1がAの形になる。(R>>S)

  =短絡路(ケント束)が、左房・左室間にあります。

V1誘導から見ると、ケント束から早期に左心室に入った興奮は、V1に向かって来るため、Aの形(=陽性波)になります。(R>>S) 

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 note:CRBBBと間違えないこと。

 

 

 

 

 

 

 

◎ B型は、V1に r 波がある。(r<<S)

 =短絡路(ケント束)が、右房・右室間にあります。 

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V1誘導で、r波が出現します。 r >> S となっています。

 

 

 

 

◎ C型は、V1がQS patternにある。

 =短絡路(ケント束)が、心室中隔部にあります。 

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V1誘導で、QSパターンが出現します。

陰性デルタ波で、Q波の始まりが下むきに削れた形となります。

(V1誘導から見て、ケント束の心室内興奮は離れて行く)

 

なおC型のケント束は、心室中隔部・その周辺と考えて下さい。

 

 

 

 

 

***困った事***

実力心電図 p-222のWPW-A型は、

  • V1でrSパターン(正確にはqrSパターン)
  • V2で陽性のデルタ波にR波。

だから、WPW-A型 との記載。

 

いろんな文献当たったけど、V2の波形でA型と判定するのはなかった。V2から、反時計方向回転だから短絡路(ケント束)は左側とされている。

 

試験はやっぱり、典型例で勝負して欲しい。

少なくとも、WPW-A or B型で設問しないでね。(と思います。。)

 

 

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