=WPW B型 (右室後壁側のケント束)=
=中級編解説(のつもり)=
*顕性のWPW症候群の本質は、デルタ波があることです。
*どの誘導かに、必ずデルタ波があるはずです。(あるから顕性WPW症候群です)。探しましょう、デルタ波を。
*ケント束の部位によって、V1の波形が異なるために、ここで型分類します。
*ところが!・・・ケント束はいろんな場所にあるんですね。A,B,Cと単純に分けるだけでは、カテーテルアブレーションは出来ません。12誘導心電図で事前推定が、ある程度行われます。
*理解して覚えるべきは、
◎ A型は、V1がAの形になる。(R>>S)
◎ B型は、V1に r 波がある。(r<<S)
◎ C型は、V1がQS patternにある。
(理解するために)
◎ A型は、V1がAの形になる。(R>>S)
=短絡路(ケント束)が、左房・左室間にあります。
V1誘導から見ると、ケント束から早期に左心室に入った興奮は、V1に向かって来るため、Aの形(=陽性波)になります。(R>>S)
note:CRBBBと間違えないこと。
◎ B型は、V1に r 波がある。(r<<S)
=短絡路(ケント束)が、右房・右室間にあります。
V1誘導で、r波が出現します。 r >> S となっています。
◎ C型は、V1がQS patternにある。
=短絡路(ケント束)が、心室中隔部にあります。
V1誘導で、QSパターンが出現します。
陰性デルタ波で、Q波の始まりが下むきに削れた形となります。
(V1誘導から見て、ケント束の心室内興奮は離れて行く)
なおC型のケント束は、心室中隔部・その周辺と考えて下さい。
***困った事***
実力心電図 p-222のWPW-A型は、
- ◎V1でrSパターン(正確にはqrSパターン)
- ◎V2で陽性のデルタ波にR波。
だから、WPW-A型 との記載。
いろんな文献当たったけど、V2の波形でA型と判定するのはなかった。V2から、反時計方向回転だから短絡路(ケント束)は左側とされている。
試験はやっぱり、典型例で勝負して欲しい。
少なくとも、WPW-A or B型で設問しないでね。(と思います。。)
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