房室解離のお話しです。
これは、概念の把握が全てです。
まず、ぴのまるさんのwebsiteを読まれて下さい。
実に簡潔で、わかりやすいまとめです。(付け足し・改変は無理です!)
房室解離?等頻度房室解離?完全房室ブロック?心電図用語について考える
このサイトをお読み頂き、おしまい・・でOKなんですけど、
添付ファイルとしての、心電図波形を添えたいと思います。
**思えば、この心電図ブログも、村川裕二先生の(あなたが心電図を読めないと本当の理由)シリーズでは、ほとんど心電図波形が出てこないので、実例集を作ろうと云うのが、モチベーションでした**
問題の心電図を解説します。
下のリズムチャートは、II 誘導です。
□黄色い部分が、同じ時相です。
*ほぼ同じレートで、心房と心室が電気的興奮(P波とQRS)があります。
*心室レートがやや速く、▲の三拍は心室調律です。▲の二拍はP波による正常伝導と心室調律がfusionしているようです。▲は、安定した洞調律に戻っています。
◎▲の三拍は心室調律の部分が、等頻度房室解離となります。
ぴのまるさんのサイトからの引用です。
この症例のホルター心電図です。
*洞調律であったり、心室調律(等頻度房室解離)だったり、変化しています。
*PVCを挟んで、洞調律→心室調律(等頻度房室解離)になったりしております。
*移行時に、fusionが生じています。
*この部分では、まずP波がQRSに飲み込まれます。その後少しづつP波レートが速くなり、洞調律となっております。
*なお、この症例の心室調律はけっこうwide-QRSなので、心室下部のペースメーカーが作動しているようです。
*12誘導心電図では、LBBBパターン&上方軸で、心室下部(右室か中隔くらい)からの心室リズムですね。
このように、終日洞調律と等頻度房室解離をくり返しています。
心拍数が60bpmくらいの時です。
心室の異所性ペースメーカーは、自動能が低く設定されています。ですから、洞調律時には、静かにしてるんですね。なんらかの理由で、心房からの刺激伝達がないと心停止を避けるために、心室ペースメーカーが作動します。
この心室ペースメーカーがちょっと速くなり、洞調律がやや遅くなると、P波とQRS波の競合が起こり、等頻度房室解離が生まれるんですね。
ぴのまるさんの解説の中に出てくる等頻度房室解離の実例をお示ししました。多くはnarrow-QRSの房室接合部からの心室リズムなんですが、この症例はもっと下位からペーシングされていました。
次回は、等頻度房室解離以外の房室解離の心電図波形です。
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佐々木達哉先生との共著が、2019/1/20に発刊となります。
医事新報社からです。
循環器版の(思考のレッスン)です。
村川裕二先生から、素敵な(推薦の辞)を頂きました。
まずは、立ち読みして下さい。私が援護射撃した佐々木ワールドが満開です。
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