右胸心の別症例です。
右胸心の心電図の構造は、
( 肢誘導での左右上肢の電極取り違えパターン )
+
( 胸部誘導でのR/QRS波高のV1→V6への減高 )
と考えて下さい。心電図だけで、かなり絞り込めます。
右胸心の心電図(Case-2)
肢誘導での左右上肢の電極取り違えパターン
+
胸部誘導でのR/QRS波高のV1→V6への減高
そのものですね。
心臓自体が逆方向で、結果(左右の四肢電極)取り違えパターンです。
左胸部誘導では、どんどん電位が減衰します。
胸部レントゲンで、胃泡が確認出来れば、ほぼ確定です。
心電図の電極を全て逆(胸部誘導は右側へ)に取り付けます。
比較してみましょう。
ほぼ、正常心電図になりますね。
(1.0mV=0.5mm:いつもの1/2なっているのに注意です。)
右胸心には、
*鏡像型右胸心(dextrocardia)
*孤立性右胸心(isolated dextrocardia)
があります。
鏡像型右胸心は、完全内臓逆位で、心肺・ふくぶ臓器全部が左右逆に配置されたものです。心疾患合併は少なく、健康上の問題がないので成人でも時に遭遇します。手術などでは、術者が苦労しますけど。
孤立性右胸心は、先天性心疾患合併がほとんどで、乳幼児期からの問題となります。心電図も単純では無い。
試験問題となるのは、鏡像型右胸心のはずですね(希望的観測)。
右胸心の心電図(Case-C)
この症例は、右脚ブロックがベースに有るので、ちょっと難しい。
*注目点は、I誘導のP波が陰性、aVRのP波が陽性(らしい)ことです。
*さらに、胸部誘導のQRS波高が、ドンドン減高する。
CRBBBの右胸心と考えると、スッキリします。
胃泡が右側にある。
胸腹部CTで、内臓反転がわかります。
心電図の電極を全て逆(胸部誘導は右側へ)に取り付けます。
比較してみましょう。
一般的なCRBBBの心電図になっています。
今回提出した(右胸心−3症例)を提示します。
選択枝に(右胸心)があった時、これを思い出して下さい。
以下のwebsiteの解説も、参考になりますよ。
http://www.mochida.co.jp/dis/guidance/electrocardiogram/q70.html
日本不整脈心電図学会の心電図クイズ
http://new.jhrs.or.jp/contents_jse/archives_quiz/quiz20100501.html
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