#blog-title{font-size:150%; }

Cardio2012のECGブログ-2019改

=上級医がやっている危ない心電図の見分け方= ECGにまつわる基本的な諸問題:総合診療部研修医と、ECG苦手医師のためのサイトです。

【コラム-121】:左脚後枝ブロックを、心電図検定試験的に考える その1 (2022/1/11までに、一人じゃ勉強できないよ〜!! シリーズ第二弾)

 

2022/1/11までに、一人じゃ勉強できないよ~!! シリーズ第二弾

 

左脚後枝ブロックを、心電図検定試験的に考えてみます。

バッサリと、単純化する部分は、許して下さいね~。

f:id:heart2019:20211113193837j:plain

 

 

 

 

左脚後枝ブロックは、

Left posterior fascicular block:LPFB

と表記されることが、殆どです。LPHBは少なくなりました。

このブログでは、LPFBと表記します。

 

 

 

では、正常な刺激伝導系の流れを、お復習いします。

f:id:heart2019:20211113193900j:plain

クリックすると、拡大します

 

以前は左室に入った左脚が、熊手のように分岐しながら、左室心内膜側に拡がって興奮を伝達すると教わっていました。(と云うか、研修医の教えてた💦)

 

 

 

現在は、

*左脚後枝が、まずヒス束より分岐して、後乳頭筋へシールドされたまま到達する。

*後乳頭筋で始めてプルキンエ網へ電位を開放する。

*但し、乳頭筋の活動電位は体表面12誘導心電図には反映されない。

〇左脚前枝は、その後に右脚より分岐して、前乳頭筋に到達して、電位を開放する。

 となっています。

 

 左右の脚は、心内膜のプルキンエ網を介して連結されています。

f:id:heart2019:20211113193946j:plain

クリックすると、拡大します

 

 

模式図化してみます。左脚後枝が、まず分岐します。 

f:id:heart2019:20211113194037j:plain

クリックすると、拡大します

 

左脚後枝→後乳頭筋へ

左脚前枝→前乳頭筋へ

 

再度確認しますね。 

f:id:heart2019:20211113194115j:plain

クリックすると、拡大します

 

 

 

正常な状態(脚ブロックがない)での左室内の興奮伝導様式です。

(故 和田敬 先生のご許可で図を載せております)

f:id:heart2019:20211113194147j:plain

クリックすると、拡大します

 

 

 

より詳細に、心室内伝導をms単位で色分けししました。

f:id:heart2019:20211113194220j:plain

クリックすると、拡大します

 

 

 

心内圧の差で見ると分かるように、起電力は圧倒的に

左室>>右室

となります。

QRSも、殆どが左室興奮の反映です。正常ならば。。

f:id:heart2019:20211113194317j:plain

クリックすると、拡大します

 

 

 

これで正常な場合の心室内刺激伝導系の流れを、お復習いできました。

次回は、左脚後枝ブロックが起きるとどうなるのか??

 

To be continued....