前回に続いて、#8-ACSの心電図変化を考えます。
冠動脈造影を、まず見てみます。
(右冠動脈造影:LAO-49°,CRA-0°)
[http://:title]
RCAは、キレイですね。
1本PL枝(左室の中隔より下後壁を支配)あります。
4PD(後室間溝枝)有るけど、小さいですね。
(左冠動脈造影:RAO-1°,CRA-30°)
[http://]
この角度では、病変が見えません。
(本当にあるのか,ACS?💦)
(左冠動脈造影:LAO-40°,CAU-30°)
[http://:title]
動画の方が分かりやすいのですが、前下行枝の先っぽ(#8)で閉そくがあるのが、分かりますでしょうか。(分かってね!)
回旋枝は、問題なしです。
#5より、high lateral 枝が分岐してます。D1ともOM1とも言い難い枝です。
責任病変は、前下行枝(LAD)でした。
このようなLADの末端(心尖部近く)の#8での閉塞です。
支配領域は、以下の様になります。
下壁誘導で、STが上昇する理由が分かりますね。
さて、V3-5でのST上昇です。特に、V3,4です。
ここで、心電図支配の冗長性を思い出して下さい。
胸部の電極は単極誘導ですが、直下だけではなくそのお隣くらいまでの電位変化(ST上昇)も反映します。
ずいぶんとLADの先端部分ですけど、胸部誘導でV3-5のST上昇が起きてるんです。
そして、心尖部を巻いて、下壁側も支配していたために、
II,III,aVFでのST上昇が示されました。
オッカムの剃刀の理論を使って、
一元的に、#8-ACS心電図を説明してみました。
こんな事も有るんだね!
そう思って頂けたら、嬉しいです(^_^)。
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日本医事新報社からです。重版されました。
循環器版の(思考のレッスン)です。
村川裕二先生から、素敵な(推薦の辞)を頂きました。
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