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Cardio2012のECGブログ-2019改

=上級医がやっている危ない心電図の見分け方= ECGにまつわる基本的な諸問題:総合診療部研修医と、ECG苦手医師のためのサイトです。

【コラム-150:あしたのために その7-偽性心室調律】

偽性心室調律 ≒ Brugada phenocopy です。

 

https://www.youtube.com/watch?v=bR9JtA-GKm0&t=54s

 

 

 

偽性心室調律 ≒ Brugada phenocopy(ブルガダもどき)

phenocopyの定義を引っ張って来ました。

 

phenocopy と言う言葉は「表現型相同」と訳され、「遺伝子変異により生じる所見と類似した所見が環境要因の変化により生じた場合」に用いられます。

http://www.udatsu.vs1.jp/Bru-phenocopy.htm

 

 

 

https://www.youtube.com/watch?v=bR9JtA-GKm0&t=54s

 

 

 

 

wide QRS tachycardiaを見たら、90%はSVT or VTとなる。

ワンチャンス、Brugada phenocopyを考える。

活動電位=0相=のNaチャネル抑制です。

 

 

 

 

Brugadaの(Coved/Saddle back)patternまで合わせると、以下のような分類もできるようです。

https://jag.journalagent.com/tkd/pdfs/TKDA_48_2_158_166[A].pdf

 

 

 

Naチャネルの障害が、伝導障害(Brugada phenocopy)の発生病態です。

これは、心筋全体で障害起きる伝導障害(活動電位0相の立ち上がりが遅くなる💦)です。

右室の伝導障害がまず出現するために、RBBB波形となる。(この段階をERで診ている)

左から右への流れとなり、更に伝導障害が進むと右上方へと進み、北西軸となる。

aVRのR波高が3.0mm以上となるのが、偽性心室調律の特徴です。

V1:まず左室が興奮し、その後に右室へのダラダラした興奮伝播があり、幅広いR波が形成され、ブルガダ様(=Coved)となる。

Ⅰ誘導:左→右への伝導で、R<Sの右軸偏位。(さらに進むと北西軸となる。)

V5,6:幅広いS波で、R<Sとなる。

Naチャネルの障害が左室まで及ぶと、徐拍化・サインカーブ化→心静止となってしまう。

 

 

 

クリックすると、心電図が拡大します。

K=8.0mEq/LだったER心電図です。

*aVRで、3.0mmのR波高を示す。(ココから、偽性心室調律を疑う)

*V1がCoved型波形。

*V2-5の尖ったT波。 高カリウム血症を示唆する。(静止膜電位が上昇するために、Na急速流入が鈍化する)

*北西軸を示しつつある。

◎V1でCoved型の波形を呈する高カリウム血症がある!! が、学びと一つです。

 

 

 

クリックすると、心電図が拡大します。

フレカニド中毒です。

一見、俗に言う(slow VT)=AIVRにみえますが、赤矢印の部分にP波があるんですね(>_<)。

 

 

 

クリックすると、心電図が拡大します。

肺塞栓の超急性期心電図です。ショック状態でした。

心電図波形から、Brugada phenocopyとしての肺塞栓も想起して下さいね。

何回もYouTubeで見返すことをお勧めします。(ボクはやりましたよ🧐)