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Cardio2012のECGブログ-2019改

=上級医がやっている危ない心電図の見分け方= ECGにまつわる基本的な諸問題:総合診療部研修医と、ECG苦手医師のためのサイトです。

【コラム-129:心電図検定試験-2A合格から1B合格までシリーズ001:心房細動(その1-- 2級合格のためのTips)】

 

2023/1/14までに、一人じゃ勉強できないよ~!! 

新シリーズです。

2級A判定合格を目標として、いろんな波形を学び直し、その後に1級受験へ誘うコラムです。

 

今回は、まだ(たぶん)テスト版です。やりながら改良しますね!

 

 

心房細動(その1)です。

2級受験のために必要な事柄です。

 

 

心房細動の診断根拠は、

P波が無い!!  (P波の欠如)

RR間隔が、でたらめ。(Irregularly iregular rhythm)

この二つです。必要条件です。

 

心房細動波(F波)の存在は、有った方が分かりやすいけど、はっきりしない場合も多いんです。十分条件ですね。

 

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*V1が心房に最も近いので、F波の確認が分かりやすいのですが、他の誘導でもよく認めます。

*筋電図が入ると、F波のように見えることがあります.。 慌てずに(P波の有無)(RR間隔)を確認します。

*P波もV1誘導で確認しやすいのですが、他の誘導(ex.II誘導)の方が認識しやすいことがあります。PACの多発による不整を除外します。

*RRの不整は、dividerでの確認も考慮しましょう。

*人の目は、結構いい加減なんです。

*長期に続いたAFでは、F波の波高が減じてくることが多いのです。心房筋の線維化・減少によります。力の無いF波です。

 

 

 

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*矢印()を見ると、F波の形は統一性が無いのが分かりますね。

*一見P波風のF派(☆)は、形もQRSとの間隔(F-R間隔)も異なっています。

*QRSを見ると、F波との重なりの違いでrS波形のr部分が、いろんな形をしています。

*RR間隔も一見整っているようですけど、きちんと測定するとバラバラなんです。

*4-5拍目の間のF波は整って見えますが、局所だけに目を奪われないようにしてね!

 

 

 

 

 

心房細動三十六景(その1)

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心房細動波(F波)の色々です。

粗く大きなF波から、細かくその形を変えるF波まで、パターンは沢山あります。

あれもF波、これもF波と、経験を積んで下さい。一定の形がないのがF波です。

 

https://twitter.com/NaokiThukishima/status/1424348615359619074

 

心房細動か心房粗動か悩むことがあるが,それなら細動でも粗動でもどちらでもよい。頻拍の名称はいい加減につけられている。厳密な数値や表現にこだわるほどのものではない@村川裕二先生

 

 

 

 

心房細動三十六景(その2)

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*幻のP波(実はF波)を、追いかけてしまうことがあるので、要注意です。

*PVCや脚ブロックが有ると、そっちに目を取られてしまいます。

(P波が無い!!)(RR間隔がバラバラ)が、ポイントですよ。

*F波がほとんど分からない(=たぶん、かなり長期に渡っている)事も、よくあるんです。

*心房細動は、器質的心疾患を伴っているかも?と考えます。

 

 

 

 

 

 

心房細動三十六景(その3)

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この心電図では、全誘導でF波が確認出来ますね。

RR間隔もバラバラです。

P波もありません。

心房細動の診断に苦労しませんね。

 

*ST-T変化に注目です。

*左室肥大が隠れていそうです。

*もしかして、ジギタリスの投与もあるのか?

*抗凝固療法されているのかな?適応はどうなんだろう?

〇心エコーで心臓を見てみよう。

 

このように考えられたら、12誘導心電図の役目は十分なんです。

 

 

 

 

心房細動三十六景(その4)

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この心電図では、F波の有無がよく分かりません(・_・?)。

V1の基線の揺らぎは、F波のような気もします。

やっぱり(P波がない!!)(RR間隔がバラバラ)が診断根拠です。

 

 

 

 

心房細動三十六景(その5)

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頻脈の心房細動(Rapid-Afib.)です。

慌てずによく見ると、RR間隔の不整が分かります。P波もありませんね。

このようなnarrow QRS tachycardiaを見た時は、RR間隔にデリケートになってください。dividerを当てて、やっと気付ける事も、よくあるんです。

 

次回は、ココからの1級B判定ゲットのTipsです。