Question:50才代男性です。次の心電図診断をお願いします。
心房細動がある前提ですけど…
1. 陳旧性前壁中隔梗塞 with CRBBB
2. なんらかの右室肥大(ex.肺高血圧症)
3. シンプルなCRBBB
4. 肥大型心筋症 with CRBBB
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(考え中)
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正解は、( 肥大型心筋症 with CRBBB)でした。
訳分かんない(・_・?) (・_・?)
もう、思考が働かない💦上級医か循環器医に助けて貰おう😖
正常な反応ですよ。
ヤバイと思えれば、ERは凌げますし。
この心電図の目眩ましは、完全右脚ブロック(CRBBB)です。
CRBBBの心電図所見を理解して、その上にACSの心電図が載っかっていると考えると、ガッテンできます。
変なCRBBBシリーズです。
Arai Riku先生のYouTubeでは、
QRS幅が0.12秒(3mm)以上でVTでない場合に、
*V1でマクドナルド(M)型は、CRBBB
*V6でマクドナルド(M)型は、CLBBB
と、まず覚えちゃいますよね。
これは入門編としては、OKだと思います。
ですが、形態認識だけで覚えると、すぐにつまづきます。
右脚が電気的に切断されると、右室心筋は=左室より=ゆっくりと伝播で興奮していきます。
V1のwide QRSが一峰性か、二峰性かは、CRBBBの本質ではありません。右室内を=刺激伝導系ではなく=心筋によるゆっくりとした伝導が起きているのが、病態(電気)生理です。
設問を、もう一度見てみましょう。
V2では、全部RsR'波形=M型ですね。
左室の興奮→右室の興奮と、時相がズレているのが分かります。(V2で、全てが解明される訳でもアリマセン)
そして、V1では(遅れた右室の興奮波形)であるR'が一番高くなります。
一峰性でも、R’にあたる部分(後半成分)が一番高い。
このR'の頂点から垂線をV6へ下ろすと、幅広いS波となります。この高く幅広いR'(at V1)は、幅広いS波(at V6)になるんですね。
CRBBBでは、V1,2にRsR’(RR’もR波形もある)が出来るのは、左室→右室と、別々に心筋が興奮するからなんです。
さらに胸部誘導を見てみます。
*青のラインで分かるかと思いますが、V4-6のR波は左室の興奮です。左脚自体の異常はないので、コレが左室の興奮です。
*V1のQRのR波は遅れて出現しており、右室の興奮です。
*V1,2のQ波は、左室のベクトルが後方回転したためです。
*V3-6の(変な形の)ST-T変化は、HCMでよく見るパターンです。
*V1でのST-T変化はT波がflatなことくらいですね。これは、V4-6でのST低下のmirror image的変化と思われます。少なくとも、右室肥大では説明し難い。
*CRBBBがHCMの心電図波形に乗っかっていると考えると、分かりやすいでしょう